2022年末、米国消費者製品安全委員会が天然ガスコンロに関する規制強化を検討していることを発表し、ガスコンロやその他の器具の使用をめぐる論争が起こった。
文:ダービー・スティプ( Darby Stipe)/翻訳校正:沓名 輝政
天然ガスは米国の主要燃料であり、主にメタンと一酸化炭素などの他のガスで構成されている。全米レストラン協会の調査によれば、レストランの76%、コンシューマー・レポートの調査によれば、米国の家庭の37%がガスコンロを使用している。プロのシェフも家庭の料理人も、ガスの方が料理がおいしく、盛り付けもよく、コストも抑えられると主張してきた。
しかし、二酸化窒素(NO2)はメタン燃焼の副産物であり、天然ガスをコンロに使用すると、少量が直接家庭に漏れる可能性がある。NO2の吸入は、肺機能の低下や喘息の増加につながっているという研究もある。
この問題の解決策はそれほど明確ではない。適切な換気をすれば、ガスコンロに関連する健康への悪影響は限定されるが、換気が設置されていない家も多い。また、ガス管からの漏れも暴露の原因となる可能性があるため、定期的なメンテナンスと管路の点検を行うことで、不必要なリスクを抑えることができるかもしれない。他のガス器具は、ガスコンロの何倍もの天然ガスを燃焼するため、自動的に屋外に排気することがすでに法律で義務付けられているが、天然ガスを燃焼する際に発生する副産物はすべて最終的に屋外に排出され、大気汚染や気候変動の原因となる。さらに、誰もが既存のガスコンロを買い替えられるわけではない。地域社会や機器の所有者にとって最善の方法を決定するには、さらなる研究が必要かもしれない。まずは、www.EPA.gov/Indoor-AirQuality-IAQ/Nitrogen-Dioxides-ImpactIndoor-Air-Quality で、家庭でのNO2暴露の削減について詳しくご覧ください。
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