コンポストにミミズを加えれば、菜園に栄養豊富な肥料を作れる。
文: クリスタル・スティーブンス(Crystal Stevens)
翻訳: 沓名 輝政
バーミカルチャー(ミミズ養殖)とは、ミミズを使って有機物を分解することです。食卓の残飯を堆肥に変えるというシンプルな方法です。最終的には「ミミズの糞」と呼ばれる栄養豊富な天然の肥料ができあがります。ミミズが繁殖するための環境を整えるには、ミミズコンポスト用の容器が必要です。
裏庭バーミカルチャーのメリット
バーミカルチャーは、裏庭菜園に以下のようなメリットをもたらします。
- 既存の堆肥化作業を強化できる。
- ミミズを使い高収量の栄養豊富な肥料ができる。
- ツリミミズ科[学名 Lumbricina]やシマミミズ属[学名 Eisenia foetida]などのミミズは、有機物をより早く分解できる。
- 生成物は堆肥よりも腐植質の量が多く、腐植質は通気性と保水性を飛躍的に向上させる。
ミミズコンポストは、窒素、リン、カリウムを豊富に含み、植物の健康に役立つ多量栄養素と植物の成長を促す微量栄養素の両方を含んでいます。堆肥には、ミミズの糞、部分的に分解された有機物、植物や食物、その他のデトリタスの断片からなる有機廃棄物が含まれます。ほとんどのミミズコンポストには植物成長ホルモンが含まれており、植物の生命力と収量を高めることができます。ミミズコンポストでは、マグネシウムや硫黄など、通常は大雨で流されてしまう微量栄養素が結合し、ゆっくりと放出されます。
ミミズコンポストから得られる生成物は、始めるのにかかる少額の投資に見合うだけの価値があります。すでにミミズを飼っている友人がいれば、無料で始めることができます。まずシステムを構築し、友人にミミズを 1 ダースほどもらいます。1~2 ヶ月もすれば、ミミズの数が増えてきます。小売市場では、天然の肥料は高価です。完成したミミズコンポストは、20 ポンド(9kg)の袋で最高 35 ドルで売られています。しかし、地下室や裏庭で 20 ポンドの糞が入った袋を作れば、初期費用を払えばわずか数円で済みます。
廃材を使って屋外用の容器を作る場合、必要なのはミミズとストローベイル(冬場の寝床や断熱材として使用)だけです。資材を工夫すれば、実際にコストを抑えることができます。
一般的なミミズ箱(ミミズコンポスト)の設置方法
一般的なミミズ箱は、2 つのプラスチック容器(内箱と外箱)で構成されています。内側の容器は、四方に数個の穴を開け、底には 40 個弱の穴を開ける必要があります。底には小石や川石、砂などを敷いておくと、水がたまるのを防ぎ、水はけをよくします。外側の容器は、液体の受け皿となるため、四方に数十個の穴を開けますが、底には穴を開けません。
細かく切った紙や破った新聞紙、落ち葉、刈り草、トイレットペーパーの芯などを小さく切った厚紙を混ぜ合わせたミミズ用の敷料(寝床になる資材)を加え、混合物が濡れるまで霧吹きで水をかけます。
敷料は、適温 13~27℃ になるまで置いておきます。最低でも 2 日間は 32℃ 以下に保つ必要があります。適温に達したら、敷料を脇に押しやり、ミミズを入れて敷料で覆います。その後、食品ゴミを少しずつ加えていきます。ミミズコンポスト愛好家の間では、ミミズは 1 日で自分の体重分を食べられるという経験則があります。例えば、1kg のミミズが 1kg の食品ゴミを 1 日で食べきるということです。
1~2 ヶ月後、ミミズコンポストの底の層を収穫します。新しいミミズの敷料を 数つかみ加えます。さらに食品ゴミを加えていくと、このサイクルが続きます。
コンポスト容器に入れるべきもの
コンポストに入れられるものでも、ミミズコンポストに入れてはいけないものがあります。以下のものは、ミミズ箱で堆肥化できます。
- 唐辛子、乳製品、ピーマンを除くすべての食品ゴミ
- 卵の殻
- コーヒーかす
- 新聞(白黒のみ、カラフルで光沢のあるページは不可)
- 段ボール(トイレットペーパーやペーパータオルの芯など)。。。
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