それは、今まで見たこともないような農場です。作物はレタス、バジル、マイクログリーンで、高さ3~8cmの若い野菜です。巨大な部屋に敷き詰めて並べられたトレーの中で育っています。LEDランプが奇妙な光を植物に投げかけています。最も驚くべきことに、これらの作物はシカゴにある築97年の豚肉加工施設を改装した「The Plant」で育っているのです。
この再利用した建物にある5つの垂直農園は、化学肥料を使わず、自然のままの環境で栽培された地元産の食品を重視する都市農業の一形態です。The Plant を所有する Bubbly Dynamics LLC の創設者兼ディレクターであるジョン・エデル(John Edel)は「私たちは、ここ(The Plant)を垂直農場と呼んでいます。複数の階層で育てているからです」
垂直農業の農場以外にも、ビール醸造所3ヶ所、ベーカリー、チーズ販売店、コーヒー焙煎所、ショコラティエなど、食に関する19の事業をインキュベートしています。
The Plant の農場で使われているプロセスは、環境に配慮した持続可能なものです。エデルが説明します。「水耕栽培と土耕栽培が混在しているんです。建物の中で栽培する利点のひとつは、虫がいないことです」。だから農薬や除草剤を使う必要がないんです。
しかし、屋内で運用するメリットはそれだけではありません。The Plant の農場のひとつである Urban Eden では、植物の根を空中に垂らし、機械的な装置でミストを吹き付けるエアロポニックスで作物を栽培しています。エアロポニックスのシステムは、慣行農業に比べ、灌水の使用量を95%削減できます。また、The Plant の研究所では、食品科学者が藻類や細胞レベルで肉や野菜を育てる細胞農業の可能性を研究しています。
The Plant のビジネスは、廃棄物を製造工程の燃料として利用する閉ループシステムを特徴としています。例えば、1階にある Whiner Beer Company では、ビール製造に使用した原料を回収してパンを焼いたり、コンポストを作ったりしています。
このユニークな農業の拠点の詳細は、www.Inside ThePlant.com/about-the-plant をご参照。
― クリストファー・ジョンソン
(Christopher Johnson)
。。。
* 和訳全文は1年おきに発行される和訳電子版のバックナンバーでお楽しみください
コメントをお書きください