土地を持たない自営農(持続可能な生活を始めよう)

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自給自足のライフスタイルを目指すのに広大な土地は必要ない。

 

文:ジェニー・フローレス(Jenny Flores)

翻訳校正:沓名 輝政

 

 「自給自足」や「自営農(ホームステッド)」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?何エーカーもの牧草地?家畜?真っ赤な納屋の上にソーラーパネル?これらは自給自足の一部ではあるが、必要条件ではない。自営農は何よりも、自給自足に焦点を当てたライフスタイルだ。どこに住んでいようと、自給自足は可能だ。

 アパートやタウンホーム(連棟建ての分譲住宅)に住んでいる場合、あるいは住民自治の管理組合(HOA)に加入している場合は、既成概念にとらわれない考え方が必要になる。例えば、ヤギの群れを飼うことはできないが、ヤギの共有に参加することはできる。市の条例の範囲内で自給自足に慣れるにつれ、自信とスキルが高まり、気がつけば都市部の自給自足大使になっていることだろう。以下の10分野はほんの始まりに過ぎない。

 

漬物、保存食、下ごしらえ

 キッチンで自給自足する方法はたくさんある。まずは外食の代わりに家で食事を料理することから始めよう。その後は、食材を手作りしよう。ハーブソルトやベーキングミックスなどは簡単に始められる。エキスを自分で作るのも簡単だし、レシピを2倍、3倍にして夕食の分量を冷凍しておけば、家族の食事やおやつを手早く済ませることができる。次にクッキー生地を混ぜるときは、丸太状に丸めて冷凍しておけば、スライスして焼くだけの便利なクッキーができあがる。

 食料の保存は、長い間自営農の中心だった。ソース、ピクルス、野菜、果物、スープ、保存食などを食料庫に保管しておけば、食の安全が確保され、消費する保存料の量を抑えることができる。湯煎式びん詰めは習得が簡単で、間違いなく最もお得な自営農スキルだ。地元のファーマーズマーケットで野菜をまとめ買いし、午後はお気に入りのレシピのびん詰め作りに没頭しよう。季節ごとに数回びん詰めを作ることで、好きな料理が何度でも楽しめるようになる。

 酪農もまた、自営農家にとって身近な食材だ。もちろん、牛やヤギの群れを飼うことはできないが、地元の酪農家から牛乳を一括購入したり、牛やヤギの共有に参加することはできる。牛乳が手に入れば、ヨーグルト、クリームチーズ、カッテージチーズ、ファーマーチーズを自分で作ることができる。乳製品を自分で作るのは敷居が高く感じるかもしれないが、これほど簡単な台所仕事はない。これらの製品は栄養価が高く、作り方が簡単なだけでなく、値段も安い。どれも基本的な材料は2、3種類だ。

 

枠にとらわれないガーデニング

 自分で食料を育てることは自営農の重要な要素だが、アパートでのガーデニングを計画しようとすると、落胆しがち。すべての食料を栽培できるわけではないが、かなりの量を栽培できるかもしれない。

 アパート住まいやHOAが食料圃場を許可していない場合は、プランターが最適だ。プランターにはあらゆるサイズと色があり、近所の美観を保ちながら、さまざまな農産物を簡単に栽培できる。ナスからカボチャまで、あらゆる品種のミニチュアが手に入る。土は質の良いものを使おう。庭の土では根が詰まってしまう。背の高い作物や重い実をつける植物は、支柱を立てるか、かごに入れる。

 育てることができるのは、外のプランター植物だけではない。葉物野菜やハーブは、都会の自営農家にぴったり。空いているクローゼットを、棚と植物育成ライトで栽培室に変身させよう。バスルームは、湿度を好む植物にとって最高のスペースだ。また、カウンタートップでのアクアポニックス・システムもおすすめ。 

 

ハーブで癒す

 一般的な健康問題の薬として使えるハーブに、ガーデニングの力を注いでもよいだろう。最近、市販の風邪薬やインフルエンザ薬が不足している。それだけでなく、どのような材料が使われているのか、その材料がどれほど新鮮なものなのかを知ることは、ある種の信頼につながる。

 家庭で作れる簡単で効果的な薬には、オキシメル、咳止めシロップ、咳止めドロップ、制酸剤などがある。消化器系の不調や発熱、不安感を和らげるには、特定のハーブをお茶に浸したものが効果的だ。砂糖漬けの生姜スライスは、吐き気、めまい、偏頭痛に効く。。。

 

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