有色人種の農家は、コミュニティの土地を育くむために、自分の時間と才能を捧げている。
ソウル・ファイヤー農場 (Soul Fire Farm) は食料システムにおける人種差別をなくし、アフリカ系先住民の再生的実践を取り戻すことを目的としたコミュニティ農場です。2010 年にニューヨーク州グラフトンで設立され、ソウル・ファイヤー農場はモヒカン地区で 32 ヘクタール を所有し、毎年、数千人の生産者や活動家を訓練しています。全国的に認知されているプロジェクトについては www.SoulFireFarm.org をご覧ください。
文:リア・ペニマン著
写真提供:ソウル・ファイヤー農場
翻訳:松崎 美和
マサチューセッツ州の「The Food Project(食料プロジェクト)」における農家としての初日は、私にとっては故郷へ戻ることでした。16 歳の体にたくさんの痛みとトラウマを抱え、個人的および先祖代々両方の暴力と喪失に苦しめられていました。この緑の地球に、自分の居場所があるのか確信が持てませんでした。この夏の仕事は、癒しの場なのか不明瞭で、都市と地方の若者たちを集めて、食物を育てたり、リーダーシップスキルを学んだりするプロブラムにすぎなかったのです。それにもかかわらず、私は大地の魔法にかけられました。初日の作業はコリアンダーの収穫でした。これまで、一度もこの力強い植物とふれあったことはなく、電車で帰宅した後もずっと、その植物の芳香が、指のしわに残り、夢にも潜り込んできて、私を今ここに呼び寄せてくれました。次の 8 週間の農場での労働は、私を本来あるべき姿に目覚めさせたのです。
農作業は私にとってはじめのうちは癒しである一方で、多くのアフリカにルーツのある人々にとっては引き金や再トラウマでもあります。ソウル・ファイヤー農場の黒人の訪問者に農業で連想するものを尋ねると、ほとんど例外なく、「奴隷」か「プランテーション」と答えました。サンコファ・コミュニティ農場 (Sankofa Community Farm) の共同ディレクターであるクリス・ボルデン=ニューサム (Chris Bolden-Newsome) は「農地は犯罪現場だったのです」と説明します。何百年にも渡る奴隷化は、私たちの大地への神聖なつながりを壊滅させ、何千年もの気高く自律的な農業の歴史に暗い影を投げかけました。黒人農民に積み重ねられた社会的虐待として存在したのは、16 ヘクタールの土地にラバ 1 頭の条約の反故、地主を標的としたリンチ、政府の差別、相続人の財産搾取でした。その結果、1910 年に 14% だった黒人農家の数は、現在 2% 以下に減少し、480 万ヘクタール 以上の土地を失ったことになります。
私たちの多くは、祖先が土地で経験した恐怖とその土地自体を混同し、土地を抑圧者呼ばわりし、振り返ることなく、舗装された道路へ向かって走っています。奴隷の身分に戻ることを想像するので、身をかがめたり、汗をかいたり、収穫したり、ましてや土で汚れたりすることすらしません。それでも、何かが欠けていること、かつてはつながりがあったところにギャップがあることを痛感しています。この世代の黒人は農家の「復活世代」として知られるようになっています。私たちの祖父母はジョージア州の赤い粘土の農地から逃げ出し、現在私たちは土地との和解の意味を理解するように、注意深く取り組んでいます。土地なしでは自由に戻れないことは、なんとなくわかっています。。。
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