高温燻製と干し草燻製の手法で、今季の裏庭屋外料理に風味を取り入れよう。
文:スティーヴン・ライクレン (Steven Raichlen)
翻訳:松並 敦子
ハム、ベーコン、パストラミ、考えただけでもよだれが出そうな食べ物をいくつか思い浮かべると、全て、独特なスモーク風味が美味しさを醸し出していることに気づくだろう。牛の肩バラ肉や豚の肩ロースを燻してスモークの香りをつけるだけでなく、カクテル、チーズケーキ、アイスクリーム、マヨネーズ、バター、氷など想像外の食材も燻製にできる。
スモーク風味は、工程の中で食材につけていく。速さと効率が特徴の網焼きは、仕事後に作る簡単な食事にはうってつけの高熱調理法だ。一方、燻製は忍耐と粘り、そして何よりも時間を要するため、網焼きとは対極の料理法と言えるだろう。比較的短時間で燻せるチキンやリブ肉でも、数時間は燻す必要がある。さらに、パストラミやハムのような塩漬け肉の燻製となると、燻煙にかける前に、2週間ほどしっかり塩水につけておかなければならない。
燻製という調理法は世界の偉大な食文化のほとんどで行われ、その手法は地域や料理によって大きく異なる。燻製には冷燻、温燻、熱燻などの種類があるが、いずれも時間をかけて食材を燻し上げる。今回紹介するレシピは、イタリアのチーズ製造家が開発した特殊な干し草燻製法の長所を利用したものだが、比較的短時間で作れる。あわせて紹介する熱燻は、高温で燻製することで、食品に火を通しながらスモーク風味をつけていく。反対に、冷燻は、食品に火を通さずに、スモーク風味をつける。まずは、今から紹介する料理から始めて、牛肩バラ肉や大きな塊肉の燻製、さらには珍しい燻製デザートや飲み物に挑戦するのはいかがだろうか。
そそる燻製レシピで燻製をお試しあれ:
本稿は「Project Smoke, copyright 2016」の抜粋で、Workman Publishing の協力によるもの。 スティーブン・ライチュレン (Steven Raichlen) は「Primal Grill」や「Barbecue University」などの公共放送で司会進行をしている。「Project Smoke」、「Planet Barbecue」、彼の近著「Barbecue Sauces, Ribs, and Marinades」は79ページで入手可能。
たのしい暮らしをつくる
マザーアースニューズ
Season of Smoke: 3 Hot- and Hay-Smoking Recipes
June/July 2017
By Steven Raichlen
コメントをお書きください