翻訳:沓名 輝政
最終的な経済的優位性に加えて、再生可能エネルギーの潜在能力は、「化石燃料よりもはるかに高く、世界のエネルギー需要を何倍も満たせる」としています。正確には 100 倍以上ですが、それは「現在の技術で、利用可能な場所の一部において」です。
本レポート『The Sky's the Limit』では、世界のエネルギー需要を満たすために再生可能エネルギーが必要とする土地面積は、化石燃料が必要とする土地面積よりも小さいことを指摘しています。同レポートでは、すべてのエネルギーを太陽光でまかなうために必要な各国の土地の割合を示した地図が掲載されており、需要とバランスのとれた生産の潜在能力が「超豊富」「豊富」「充実」「不足」のいずれかに基づいて国を分類しています。また、潜在能力が低い国でも、屋上の太陽光発電や洋上風力発電などの革新的なアプローチにより、再生可能エネルギーの調達に成功している例も紹介しています。
世界全体では、技術的な潜在能力の 0.03%、太陽光の潜在能力の 0.01% しか使っておらず、100% に到達する必要はないと報告しています。「世界全体では、再生可能技術の潜在能力をすべて活用する必要はありません。たった 1% を開発するだけで、すべての化石燃料の使用を置き換えることができます」。再生可能な資源をより大規模に活用するには、文化的・政治的な機運が必要であり、特に複数の分野が限られた土地を奪い合う中で、そのプロセスは各国の事情やニーズに応じたものとなるでしょう。しかし、報告書によると、多くの国が再生可能エネルギーの調達方法を選択できるようになり、それによってエネルギーの独立性を高め、気候危機に対応して化石燃料への依存度を下げられるようになるとしています。
報告書は www.CarbonTracker.org/Reports/The-Skys-The-Limit-Solar-Wind をご参照。
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