直撃レポート: グラスフェッド牛を育てる

伝統的な肉牛生産に立ち返り、食の安全保障と持続可能性につなげる。

 

翻訳:金広 まさみ

 

 

これまで種として生存してきてほぼいつでも、ウシは化学肥料なしで育つ自然な草を食べていました。しかし過去の世紀において、人間はウシの常用飼料に大量の穀類を持ち込み、早く太らせ若いうちに売り、肉を大量生産しました。幸運にも、私たちのうち少数の人はウシが食べるのに十分な牧草地を持っていて、グラスフェッド牛肉を提供するのを可能にしています。そしてつい最近、私はそれに真剣に取り組むことに決めました。

 去年、ニッセン家族農場 (Nihsen Family Farms) のマイク・ニッセンは、所有する30頭の雌牛と子牛を夜通し移動させなければなりませんでした。そこで私たちは、ウシを私の土地で食べさせ、2、3頭を担当すると取り決めました。マイクが雌牛と子牛を移動させた後、妹のシンシアと配偶者のバージニアと一緒に、私たちの群れと一緒にするもう2、3頭の雄子牛を買い、事業に入りました。

 子牛はそれぞれ 300〜400ポンド (136~181kg) の重さになり、ライ麦やほかの草の備蓄を食べさせて時間を無駄にできませんでした。最初の月に1頭につき少なくとも65〜75ポンド (29~34kg) 体重が増えました。年中放牧で飼い、6区画の牧草地に交替させ、春に新鮮な自然の草で仕上げる計画をたてました。

 統計的に黒牛は、せり市場で最高値を出します。というのはと畜場で肉が良くとれるからです。しかも、その遺伝子によって肥育場で体重が増えるよう完全化されたのに、ブラックアンガス種[スコットランド産の黒く角のない品種]の雄の子牛は春と夏には、牧草地で1日に2〜3ポンド (0.9~1.4kg) 太ります。そして2年で1,000から1,300ポンド(453から590kg)の間の体重になります。他の品種は草で飼って仕上げるのにより適していますが、今のところ私たちは概ね、従来型のブラックアンガス種ひとすじです。大型のブラックアンガス種の雄牛と共にマイクが群れで飼っていた従来型のブラックアンガス種です。

 最近、テキサス州ウェザーフォードの地方自治体が検査する加工業者ハミルトン卸売肉 (Hamilton Wholesale Meats) で、取り除くウシを肉にしたら、約200kgのひき肉とシチュー用肉、そして13kgの軟らかい薄切り肉ができました。そのほとんどを友人、家族、地域のレストランと食品生協に売りました。そしてまた、いくらかはテキサス州グレープバインのファーマーズマーケットで売りました。45kgのグラスフェッド牛のひき肉があることを知らせるため食品生協と連絡を取りました。そして責任者は、どれだけ売れるか見てみると言いました。なるほど、彼女はその晩フェイスブックに載せて、3時間以内に全部無くなりました。 

 需要はあります。そこで牛肉を直に売ることに決めました。アースデーにグレープバインファーマーズマーケット (Grapevine Farmers Market) に売り場を作って、ダラス‐フォートワース複合都市圏の人々に直接売りました。それ以来毎土曜日にそこにいます。というのは、きれいで良質のグラスフェッド牛肉を農場から直に買おうとする人々が押し寄せたのです。 

 最良の顧客の一人は、ウィチタフォールズ地域食品シェア (Wichita Falls Area Food Share) の責任者ヴィッキー・シュワイスです。彼女は230kg以上のひき肉、シチュー用肉、臓物を6週間以上にわたって食品シェア会員に売りました。テキサス州ウィチタフォールズとバーノン内と周辺の80家族が農場―食卓 (Farm To Table) 事業を通して一週間の食料品の大半を手に入れています。ヴィッキーは一週間に、私たち各農家が提供しなければいけないものを見るために、地域の農家と栽培者と連絡を取り、ネットにメニューを載せます。それから会員は生の牛乳、バター、クリーム、チーズ、蜂蜜、野菜、平飼いの卵、豚肉、コーヒー、自然のサプリメント、ハーブ、油と私たちのグラスフェッド牛肉(週毎に彼女の家で受け取ってもらう)を注文します。

 最近テキサス州アーリントンの農場―フォーク食品 (Farm to Fork Foods) と繋がりができました。私たちのグラスフェッド牛肉を売る最初の店頭です。所有者のカレン・ドットソンと、マーケティングと業務の管理者クリステン・ロビンソンは地域の人に地元の農場直の自然な食物を供給することに専心しています。

 交渉の後12%割引きで牛肉を売ることに決めました。他の人には売上成果に対して12%の手数料(現金か物々交換)を払ってきました。週決めの手数料にファーマーズマーケットで売るための割合を加えて払い、総計約12%になります。農場―フォーク食品については、私たちが店に配達し、彼女たちが販売します。彼女たちは大きな顧客基盤を持っていて、私たちのためになります。彼女たちのおかげで、私たちは自由に農場でもっと時間を過ごせるようになりました。

 それで、私たちはすでに大きな一定の顧客基盤を築き、数千ドルの牛肉を売りました。そして今年はまだ去勢雄の子牛を肉にさえしていません。最初に若い取り除くウシを加工しました。そしてテンダーロイン、胸肉、シチュー用肉、骨と(文字通り)1トントラック分のひき肉を売りました。

 うちのウシは敬意を持って扱われ、ウシらしくいられて、穏やかに移動され、必要なら医者に診てもらうえ、草だけで飼われています。代わりに彼らが与えてくれるのが、私たちの社会が群れをなして離れてしまった栄養のある牛肉です。確かにお金を稼ぐつもりとは言え、グラスフェッド牛肉はそれ以上多くの役に立ちます。私たちの健康、動物、自然資源にとってより良いです。牛の群れが熱心に草を食べると、土壌に有益な微生物を供給し、土の中に炭素を隔離し、空中から温室効果ガスを除きます。隣人がどこでも手に入れられるように、最高品質の栄養のある牛肉を届けたいです。グラスフェッド牛肉は、この説明に合っているし、ここサンフラワー農場 (Sunflower Farms) での自然生活にすっかり溶け込んでいるのです。

 あなたが私たちと一緒に準備を整えて、肉牛産業を持続可能で健康な食品生産事業に戻すのを手伝ってほしいのです。

 

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Raising Grass-Fed Cattle for Better Beef

By Robert D. Copeland | December 2017/January 2018