厄介な風邪と闘うときは、ひいひいおじいさん、おばあさんのハーブの知恵を借りよう。
文と写真:カミ・マクブライド(Kami McBride)
翻訳校正:沓名 輝政
過去100年の間、多くの家系は昔ながらの治療法を古臭く、不必要な「昔の主婦たちの話」として退けてきた。しかし、多くの場合、こうした家宝的療法が代々受け継がれてきたのには理由がある。シンプルで、手ごろで、心地よく、そして最も重要なことは、効くということだ!
曾祖父母のハーブの知識を捨てて以来、私たちの多くは、昔ながらの治癒薬やネットで見つけたレシピを掘り起こしながら、家庭でのハーブケアの技術を学び直している。私たちは今、先人たちが一生かけて得た情報よりも多くの情報に2、3年で触れていると言えるかもしれない。家庭でのハーブ療法を教える30年の間に、情報が多すぎると言う生徒が増えた!インターネットの台頭で、無限にあるように見える情報量のせいで、自然療法をどこから始めたらいいのかわからなくなっているのだ。まずは、あなたの食器棚にすでにあるものから始めよう!
この記事では、食料品店に余計に行く必要のない5つの民間療法を紹介しよう。タマネギ湿布、塩水うがい、蒸気吸入、生ニンニク、ホット・トディ。これらの方法の価値はそのシンプルさにあり、何世代にもわたって試行錯誤が繰り返されてきたことが証明されている。
タマネギ湿布
タマネギ湿布は、肺や副鼻腔のうっ血を取り除くための、すっかり忘れ去られた民間療法だ。しかし、抗生物質耐性の病原菌や、抗生物質が腸内細菌叢に与えるダメージに対する認識が高まっているため、タマネギ湿布に再び注目が集まっている。
タマネギ湿布に関する科学的な研究を見つけたことはないが、タマネギ湿布を足や胸、背中に貼った幼い子供が肺炎を治したという話はよく聞く。そして、このようなことをしていたのは「昔の主婦たち」だけではない。
『Remedies and Rituals: Folk Medicine in Norway and the New Land(レメディと儀式:ノルウェーと新大陸の民間療法)』の中でキャスリーン・ストッカー(Kathleen Stokker)は、1904年頃に両肺に重度の肺炎を発症した7歳の少女の話を紹介している。医師は家族に、彼女を治す専門的な治療法は知らないと告げ、祖母に、玉ねぎを切って蜂蜜と一緒に焼き、その混合物を柔らかい布に入れ、少女の胸と背中に塗るように密かに勧めた。ノルウェーで学んだ方法だが、アメリカの医師としては使うことを許されなかった。朝になると、少女は大量の緑色の粘液を吐き出し、回復し始めた。
私の家では、祖父からの言い伝えによると、子供が一人でも咳をすると、玉ねぎが出てくるのだという。曾祖母は予防のために、煮込んで裏漉しした玉ねぎティーをみんなに飲ませた。兄弟や従兄弟が多すぎて、咳が家族中に広がる危険を冒すことができなかったのだ。
玉ねぎ湿布の作り方は、作った人の数だけある。スライスした玉ねぎをハンカチに入れ、胸に貼る。ラードで玉ねぎを炒め、モスリンの袋に入れて足の裏に貼る。 あるいは前述のように、タマネギをみじん切りにして蜂蜜と一緒に焼く。 次の方法は、玉ねぎを水で軽く蒸すことで、雑味を最小限に抑えることができる。
- 玉ねぎ(大)・・・1個
- 水・・・1/4カップ
1️⃣ 玉ねぎをみじん切りまたはスライスする。
2️⃣ 半透明になるまで水で軽く蒸す(約7分)。 必要に応じて水を足す。
3️⃣ 布巾の上に注ぎ、タマネギが滑り出ないように布巾をたたむ。
4️⃣ 火傷しない程度に冷ます。
5️⃣ 湿布を胸、背中、足などに20~30分貼る。
6️⃣ 粘液が排出されるまで、必要に応じて1日に数回貼り直す。 ゆるやかに温め直せば、同じ湿布を一日中使用できる。。。。
* 和訳全文は1年おきに発行される和訳電子版のバックナンバーでお楽しみください
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