粗めで万能なハーブ入りの塩は、様々な料理に風味豊かなアクセントを加える。
文:ジュリエット・ブランクスプール(Juliet Blankespoor)
翻訳校正:沓名 輝政
私たちは特別な時代に生きている。スモーキーな塩、火山性の塩、海藻やミネラルのほのかな風味が相まった塩など、目もくらむような塩の数々。ハーブ入りのフィニッシングソルトは、大地と海、植物とミネラルの楽しい錬金術だ。ハーブソルトは驚くほど簡単に作ることができ、新鮮な料理用ハーブを保存する良い方法となる。私は初秋になると、初霜が降りる前に収穫したハーブから大量の塩を作る。私のように手作りギフトが大好きなら、誕生日やホリデーシーズンのギフト用に、かわいい小瓶に入ったフィニッシングソルトをパントリーに用意しておくと喜ばれることだろう。
フィニッシングソルトの名前の由来は、伝統的に調理後に料理に加えることからきている。しかし、この慣習にとらわれる必要はない。塩の性質を理解するとそうだ。粒子が大きい粗めの塩は、歯ごたえと塩味を加えるが、調理の早い段階で加えると、塩が溶けて食感が損なわれる。粒子が細かいものは、塩味が散漫にならないように、より均等に分散させることができる。
塩の食感を試せば、もっと器用に料理ができるようになる。マリネやドレッシングにハーブソルトを加えたり、ローストやグリル、フライパンで焼く前に肉や魚介類にすり込んだり。私は毎日、ポップコーン、卵、豆などにフィニッシングソルトをかけて楽しんでいる。手早くパーティーの妙味を生み出したいときは、山羊のチーズにハーブソルトを加え、オリーブオイルを垂らすと、塩味の効いたクリーミーなディップができる。ハーブソルトは私のキッチンの中心的存在で、コンロの横に置いてあり、ほぼ毎食のように登場する。ハーブ調味料のように扱い、料理にたっぷりと加えてしまうと、ソルトブレンドを使いすぎてしまいがちだ。純粋に塩辛いので、最初は控えめに!
ダスキーデザート・フィニッシングソルト
この刺激的なブレンドは、鶏肉にかけると特に美味しく、山羊のチーズ、ベイクドポテト、詰め物に変化を加える。オリーブオイルとビネガーと合わせて風味豊かなサラダドレッシングを作ったり、サツマイモや黒豆のキャセロール、ブリトーに振りかけたり。カボチャのビスクや、スライスしてローストしたカボチャの付け合わせにすると、そのスモーキーさが冬のカボチャの甘みとゆっくりと踊る。出来上がり量:11/4カップ。
- 粗塩···1/2カップ(90g)
- 燻製の海塩···1/2カップ(80g)
- ハワイの(黒い)溶岩海塩の粗塩···1⁄2カップ(75g)
- 新鮮なローズマリーの葉(ぎゅう詰め)···1/2カップ(23g)
- ガーデンセージの全葉(ぎゅう詰め)···1/4カップ(7g)
- にんにく(みじん切り)···小さじ2
- 乾燥ジュニパーベリー(乳鉢と乳棒またはナイフの背で潰す)···15粒
- すりおろしたオレンジの皮···小さじ1
- 粗挽き黒胡椒···小さじ1/4
レモンとホワイトセージのフィニッシングソルト
この塩の気分を高揚させる香りは、調理を楽しくしてくれる。料理用ハーブとしてのホワイトセージ[学名:Salvia apiana]をまだ試したことがないのなら、きっと満足することだろう。ホワイトセージは、近縁種のガーデンセージに似ているが、より強い風味がある。ホワイトセージは野生では乱獲されているため、自分で栽培するか有機農家から購入し、必要に応じてガーデンセージで代用しよう。ガーデンセージ同様、ホワイトセージの刺激的で樹脂のような風味は、脂っこい料理を引き立てる。セージは脂肪の消化を促進する最高のハーブのひとつだからだ。このフィニッシングソルトを、黒胡椒やアニスシードとともに詰め物に使ったり、ミートローフや鶏肉、根菜のローストに加えたりしてみよう。出来上がり量:11/2カップ。
- 粗塩···11/2カップ(420g)
- 新鮮なホワイトセージの全葉···丸ごとひとつかみ(21g)
- すりおろしたレモンの皮···大さじ3(レモン約3個分)
ミッドナイト・イラクサ・ゴマシオ
ゴマシオは日本の伝統的な調味料。ゴマとイラクサのミネラルが豊富なこのハーブバージョンは、サラダやドレッシング、炒め物に黒檀のような色を添え、抗酸化作用のあるアントシアニンをたっぷり含んでいる。サラダ、スープ、根菜のロースト、魚のグリルなどに振りかけてみよう。ブラッククミンシードと黒ゴマを混同しないように。黒ゴマが見つからない場合は、殻をむいていないゴマで代用する。出来上がり量:約2カップ。
- 黒ごま···13/4カップ
- 粗塩(ブラックハワイアンソルトまたは黒溶岩塩) ···1/2カップ(120g)
- 乾燥イラクサ[学名︰Urtica dioica]の葉···1/4カップ(6g)
乾いたスキレットを中火で熱する。スキレットが温まったらゴマを加え、よくかき混ぜながらゴマの香りが部屋いっぱいに広がるまで数分間煎る。ゴマは焦げやすいので、その場を立ち去らないこと!火を止めて皿に移し、冷ます。ゴマと塩、イラクサをフードプロセッサーで混ぜ合わせる。ゴマシオは乾燥させる必要はない。冷蔵保存し、3~4ヶ月以内に使用する。。。
* 和訳全文は1年おきに発行される和訳電子版のバックナンバーでお楽しみください
コメントをお書きください