植物が細菌を食物として活かす方法

科学者が最近述べているプロセスとは、植物の根が土壌から栄養素を取得するというもので、細菌を惹きつけ、育て、それから部分的に細菌を消費している。

 

栄養素を集めるために植物の根の活動で細菌を呼び込む。Photo by Adobe Stock/Fly Dragon Fly.

 

 インドのバナーラス・ヒンドゥー大学とアメリカ地質調査所の科学者が含まれる、ラトガース大学が率いるチームの最近の調査によると、植物は栄養を吸収するため、盛んに細菌や真菌を取り込んでいることが分かりました。科学者はこの共生的な循環を「ライゾファジー(rhizophagy)」または「ルート・イーティング」と名付け、その結果を2018年9月に出版された「マイクロオーガニズム (Microorganisms)」で言及しています。植物は根の先の周辺に糖やタンパク質、ビタミン類を分泌し、微生物を増やします。するとこれらの微生物は植物の根の中に入って行きますが、そこで捕らえられて活性酸素に晒され、細胞壁を壊されてしまうものが出ます。植物はその弱った微生物から養分を吸い取り、根から吐き出します。土に返された微生物は再度形成され、そして根の周辺の土壌中の養分を貯め込みます。植物はまたその微生物を取り込み、同じ過程が繰り返されます。

 この研究論文のリードオーサー(筆頭著者)でラトガース大学ニューブランズウィック校の植物生物学科の教授のジェームズ・ホワイト氏によると、長い間、有機農業者達は土壌に有機物を加えると、植物に栄養を与えて健康に育つと考えてきました。その直観は確かであったことが今回の研究で確認され、微生物は土壌中の養分と植物を繋ぐものであることが明らかになりました。植物が養分を微生物から吸収しようとしていることを理解すれば、科学者は肥料や除草剤を使わずに、これらの微生物を操作することで、宿主である特定の植物の成長に影響を与えることに利用できます。「ある種類の植物とライゾファージー的な(共生的な関係にある)微生物は、特定の宿主の植物の成長を高め、別の植物の成長を阻害します。」とホワイト氏は言います。「我々は将来、こういった微生物を、植物の成長を助けながら雑草は阻害するための「生物除草剤」として開発することが可能かもしれません。植物を成長させながら、病気や雑草を抑える微生物だけを使用して、作物の栽培をすることは可能だと思います。」www.MDPI.com にある「ライゾファジー・サイクル (rhizophagy cycle)」を検索してこの論文を読んでください。

 

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How Plants Farm Microbes for Food

By Amanda Sorell 

February/March 2019