農場主は、職場事故率が最も高い職業のひとつです。私は歳のいった農場主として、統計上の列に入る戦傷を持っています。農業事故の個人的な経験について、自分のことと他人のことの両方を書きます。
文:ジョエル・サラティン (Joel Salatin)
翻訳:金広 まさみ
20年ぐらい前、農夫の友人が牧場に出て牛を調べていた時、全地形対応車 (ATV) の転覆で亡くなりました。私は長年 ATV に乗ってきました。そしてついこの春、牛を調べるため高い草の間をゆっくり運転していた時、ATV が横に倒れて脚が下敷きになり動けなくなりました。幸運にも携帯電話が助けを呼んでくれました。もう一つの統計値になるところでした。
最悪の農業事故は、薪を切っている時起こりました。「歳のいった樵や大胆な樵はいる。しかし歳のいった大胆な樵はいない。」という諺を知っていますね。中間の大きさの木、たぶん直径が30cmなのを切っていました。しかし倒れる時十分早くに飛び退きませんでした。それはちょうど古い切り株の上に倒れ、切れ端が跳ね上がり、顔面を強打しました。私は衝撃を受け、歯を2本破壊し、唇と顎をつぶしました。危機一髪でした。今日に至るまで、なぜ人がボクシングをするのかわかりません。あの顔面打撃で十分でした。
それからスクエアベーラーのシュートを調整していた時、右小指の先を失いました。支え鎖を調整した時、曲がって指の脂肪質の先端を締め付けました。その傷害は私を悩ませなかったけれど、短い指はキーボードを打つのを難しくします。
昔の縫い痕のひとつはチェーンソー事故からです。初期の球根状の持ち手のついた旧式の1960年代のマッカラーを走らせていて、跳ね返りを受けました。そしてチェーンソーが肩をザックリと切りました。切ったのは知っていましたが、家に着くまで見ませんでした。家に入ってテレサに包帯を持ってくるよう頼んで、外出できるようにして、おしまいでした ― 翌日旅行に出るので急いだのです。
ようやくそれを見た時、すんでのことで卒倒するところでした。深い切り口から白い肉をじっと見るのは、あまりに食欲をそそらないです。その日あることを学びました:救急処置室に入って「チェーンソー」と言えば、待たされません。とことん怖ろしくなるのに十分悪かったが、腱や骨を打つほどには悪くなかったです。
それらが起こった損傷です。数多くのその他は間一髪のところでした;身をかわしたとは言え殺されたも同然でした。最初の重大な間一髪は、十代の終わりに干し草を刈っていた時起こりました。ウッドチャックが私の注意を捕えました。すぐにトラクターを止めて、彼をやっつけるために飛び降りました。そして恐ろしかったことには、トラクターが丘を転がり下りて、崖を超え木々を通り抜けて小川に入るのを見たのです。幸運なことにトラクターは無事でした。しかし刈り取り機は重大な修繕が必要でした。
私が記述したような農場事故は4つの基本的な問題点のために起こります。
未熟
機械の限界を知ること;動作の結果として何が起こるか;動物がどのように反応するか ― このすべては技能を必要とします。技能を身につけるには反復を必要とします。それが熟達の基礎です。
ほとんど誰でもトラクターに飛び乗り、ギヤを入れて細道や畑を運転できます。しかし熟練した運転者は、雪の中、雨の中、上り坂、下り坂、何かを押しながら、何かを引きながら運転してきました。経験をグーグルで検索できません。あなたにできることは、ただただ、異なった状況での反復、反復、反復です。
積み過ぎになる前にトレーラーにどれだけのせられるか?「水平面に停める」はどんな意味か?少数の間一髪は、ひとまとまりの機器の限界を重視することを染み込ませるために必要で、状況が危険な時を知るには多くの異なった状況に身を置くことが必要です。
私の決め事のひとつは、いつもトラックやトラクターを素早い脱出に備えて止めることです。森で働く時駐車する前にいつもトラックの向きを変えます。そうすれば何かが起こったら、飛び乗って行くことができます。地面がつるつる滑るなら、いつも下り坂に面して止めます。そうすれば動けなくなりません。窮地に身を置かないでください。
「窮地」が何かを知ることは少数者を意味します。初心者ならエンジンを切る前に、先のことを考えなさい。未熟のため窮地に身を置くだろうと理解してください。そして助けを呼ぶために携帯電話を持って行きましょう。窮地の最大の問題は、自分を窮地に置いてしまったことで愚かに感じて、勇敢になろうとして恥を個人的なものに留めておくために自分を救い出そうとすることです。そして何かがもんどり打って倒れてくるのはその時です。勇敢にならないで;助けを呼んでください。
速さ
高速道路上でのように、農場でも速さが命取りです。チェーンソーで肩を切った時、テレサと次の日出かけるので急いでいました。うわの空の考えと結びついた心の乱れが完全に事故を起こしました。もっと几帳面でいつもの調子でいたなら、隣り合う木にかかったチェーンソーの端を受け止めなかっただろうと確信しています。
扱いにくい状況にいる時は速度を落としなさい。それはギアチェンジしないでクラッチを動かすことを意味しません。農場研修生に教える簡単な最大の教訓のひとつは、トラクターの器具を後退させている時、スロットルを戻し第1ギアに落としてゆっくりやることです。エンジンの回転速度を上げて第4でバックギアにしておくのは、肥料散布機をバックさせて車庫に入れる正しい方法ではありません。
正しくないメンテナンス
斧、手斧、チェーンソー、ナイフ、鍬とツルハシ(刃のついた道具すべて)は鋭利な必要があります。なまくらだと多く力を加えなければならないだろうし、その力は物をかすめたり壊したりするものです。チェーンソーは切り口を通ってひけるものです;そうでなければ研いでください。肉を切ったり鶏をさばいているなら、なまくらなナイフは起こるのを待っている事故です。
注油からヒッチピンに小さなチェッククリップを入れることまで厳密に管理された機器、道具、機械は寄せ集めの間に合わせの物よりはるかに安全です。確かに、ダクトテープ、梱をつくるための麻紐とワイヤーのための場所はある。しかし、作動するブレーキ、しっかりした大槌の柄と動力取り出し装置 (PTO) の安全装置が命綱です。
注意散漫
うちの農場では仕事時間内のヘッドホンと携帯メールは禁止です。何故?なぜなら不注意は命に係わります。干し草刈り機の中の変な音が聞こえないでしょう。背後の牛の集団暴走が聞こえないでしょう。軍隊の訓練では新兵は「状況認識」を学びます。足下や内側ではなく顔を上げ周りを見ることでこれを高めます。高度に機械化された世界では、これは深刻な問題です。画面を見て(小さなもの、時計にも付いている)キーボードを見ます。画面が小さくなればなるほど周囲に気づかなくなります。
農場では、状況認識は、フックを外す時トレーラーの連結部の下から足を離しておくことを意味します。群れのどの牛が反抗的な態度で、どれがそうでないか知っていることを意味します。指を失いそうな場所から指を離しておくことを意味します。指ではなく、チャンネルロックのプライヤーで 鑿や穴あけ器を持ちましょう。金鎚を当てそこなったら何が起こるか考えましょう。
別の操縦者がトラクターに乗っている時、決してPTO動力付きの機械の範囲内にいないで下さい。トラクターの運転者がいらいらしてPTOをかみ合わせたり、油圧から変速レバーまで他の何かを打ったりするのは余りに簡単です。あなたはその間後ろにいて包みひっかかった干し草や詰まった散布叩き機をなんとか取ります。あなたが運転者でないなら、手をそこに突き出す前に、運転者にトラクターから降りるように言って下さい。それが状況認識です。
うちの農場では注意に加えて、また予防を実践しています。誰もがいつも耳栓を持っていなければなりません。私は耳栓をしないでトラクターやチェーンソーを始めません。森で働く時はいつも硬い帽子をかぶります。そしてそれは長年多くの衝撃から私を守っています。そして一度も野球帽をかぶったことはありません;耳と首を日光から守るためにつば広の帽子をかぶります。素晴らしい隣人のジムは、保護せずに太陽の中で過ごした年月から耳と首のあたりから始まった皮膚癌で亡くなりました。悪性黒色腫が始まるとすぐつば広の帽子に変えました。しかし遅すぎました。彼は私より30歳年上でした。私は変えるのに間に合ったと思います。
最後に、さらなる農場の安全のため溶接機の隣にガソリンを貯蔵しないでください。そして他の起こり得る火災の危険に気づいてください。納屋火災は、しばしば鼠が齧った電線と埃から起こります。それを読んだ時、納屋から電気を全部はぎとりました。納屋で電力が要る時は重い延長コードを引きます。夜、明かりが必要ならLEDカンテラを使いなさい。作業場に消火器を置きましょう。歩く場所を観察しなさい。そして休息しなさい…そうすれば歩く場所について考えることができます。もう一人の農場死亡者になってはいけません。トマトがあなたを必要としています。
たのしい暮らしをつくるマザーアースニューズ
Farm Safety Takes Caution and Experience
By Joel Salatin
December/January 2019
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