この革新的なコミュニティガーデンが人々の生活をどのように変えているのか学ぼう。
文:ミック・エルモア(Mick Elmore)
翻訳校正:沓名 輝政
30年前、アーカンソー州リトルロックの歴史的な地域にダンバー・ガーデン(www.DunbarGarden.org)が誕生しました。以来、ガーデニングや自給自足農業について地域住民に教える教室として成功を収めています。
野菜、鶏、ミツバチ、果樹、温室、コミュニティ堆肥、そして3.7キロワットの Skystream 風力発電機で構成されるこのコミュニティガーデンは、2エーカー強広がっています。新型コロナウィルスの大流行でしばらく停滞した後も、このガーデンは健在で、コミュニティは学生や家族に教育資源を提供することを最優先事項としています。
新しい世代への教育
Dunbar Magnet Middle School(ダンバー中学校)は、アフリカ系アメリカ人の詩人ポール・ローレンス・ダンバー(Paul Laurence Dunbar:1872-1906)にちなんで、1929年にポール・ローレンス・ダンバー高校として開校したことは、リトルロックの地元の多くの人が知っていることです。ダンバー高校は、プレッシー対ファーガソン事件(1896年)の最高裁判決によって有効となり、ブラウン対教育委員会事件(1954年)の判決によって終結した「分離すれど平等」の教育時代の、黒人だけの中高一貫校として建設されました。
制度的な不平等や、白人だけの高校に比べて少ない教育資源にもかかわらず、ダンバーは高い評価を受ける学校となりました。1955年、ダンバーは中学校のみになりました。
現在、ダンバー校はコミュニティガーデンの一角にあり、校長のユニス・スラッシャー(Eunice Thrasher)によると「生徒が外に出て、植え付けや農業、ガーデニングについて勉強することができます」。ダンバー校の生徒や近くの Gibbs Magnet Elementary School(ギブス小学校)の生徒のほとんどは外に出るのが好きと言っています。
また、実践的な学習もできます。6年生のカテリン・コール(Katelyn Cole)は、カラシナの植え床の列の間を縫って「大きな葉を摘むことを学ぶんだよ」と言いました。3月に生徒たちは土を耕して野菜を植え、5月には葉物野菜をいくらか収穫しました。今では、カテリンは植え付けから収穫までの工程を理解しています。
担任のエリック・“コーチ”・レッドモン(Eric “Coach” Redmon)によると、ほとんどの生徒がガーデニングを楽しみ、農業への理解を深めて帰っていくのだそうです。「実践的な学習です。多くの生徒がつながっていま す」と彼は言います。中学生に環境空間とテクノロジーを教えているレッドモンは「彼らは環境システムを学び、自分たちが食べている食物について学ぶのです」と説明します。
小学生の中には、食料品の棚やレストランで売られる前の食べ物がどこから来るのかを学ぶ子もいます。また、ガーデンに植物を植えることがロケット科学なみの難しさでないことも知ります。
ガーデンでの授業では、2009年から2015年まで働き、リトルロックに拠点を置く非営利団体ハイファー・インターナショナル(www.Heifer.org)で働いた後、2021年に戻ってきたクリス・ワイマン(Chris Wyman)のレクチャーがあります。「私はいつもガーデニング、農作業をしてきました」と彼は言います。「教えてくれた祖父母はそのようなことをしながら育ち、それらが食料を得るための大きな源でした。私は彼らからその知識を得たのです」
「私たちが教えている最も大きなことの一つは、花粉媒介者のガーデンと蜂と蝶の重要性です。とても素晴らしいことです。子供たちがオオカバマダラを見にきて、それを家に持ち帰ったり、教室に持ち込んで、蝶に変身するのを見たり、また外に戻したりするのは、とても実体験的です」
生徒の年齢に合わせて指導を行います。生徒の中には、サステナビリティのメリットバッジを取得するボーイスカウトもいます。
ワイマンの講義を受けた16歳のボーイ スカウト、デレク・マカリスター(Derek McAllister)は「素晴らしいガーデンでした。みんなが助け合い、地域社会に貢献していた、より伝統的な時代に戻ったような気がします。とても素晴らしいことです」。。。
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