Dear マザー 2018年10/11月

マザーアースニューズ

読者投稿:自営農のひらめき、家計のやり繰りなど。

都会から遠く離れて 

 もうすぐ20年にもなりますが、あまりにも独りよがりで損得勘定一辺倒、持続可能性のないアメリカの生活スタイルから距離をおいて、ものを考える余裕が必要だと気づきました。このことに気づいて、私は高収入でストレスの溜まる仕事をやめ、家を売り払い、妻と子供たちと共にアラスカ州南東部にある都会から遠く離れた島に移住しました。 

 私たちの家族が新しい生活スタイルを築くには多くの年数がかかりました。妻と私は、家族ぐるみで付き合いのあった親しい友人と一緒にアラスカで観光ビジネスを開業。営業を続けるうちに、私たちのビジネスはついにはアラスカで最高評価をもらうようになりました。何年かこのビジネスをしていましたが、年を追うごとに業績が上がっていきました。成功の秘密は私たちのシンプルなビジネス哲学でした。誠実であること、そして自分がしてもらいたいようにお客様にも接すること。それが私たちの哲学でした。  

 私が人生で学んだ最も大切なことのいくつかは、都会から遠く離れての暮らしから得たものです。テレビを消して外に出ること。畑で植物を育てること。健康的な食生活をして運動すること。家族や友人との時間を大切にすること。創造的であること。それから、誠実であること、物事の善悪をわきまえることです。 

 マザーアースニューズは、今私が購読している唯一の雑誌です。私が強い共感を覚えるのは貴誌だけです。マザーアースニューズは物事の善悪をわきまえ、かつオーガニックに暮らすことについて真実を広める活動をしていますが、今の世の中にあってそのことは計り知れないほど尊いことです。私がオーガニック食品を食べるよう話しても、自分の弟にすら納得してもらえません。こうして都会から遠く離れて何年も生活したことで、このような生活スタイルに変えるよう他の人に納得してもらうことは至難の業だとわかります。マザーアースニューズの努力に感謝の思いです。 

ジェイ・ビードル 

アラスカ州シェルター・アイランド 

 

はじめたばかり 

 私は自分が自然農に関心があることを16才の時に気づきました。マザーアースニューズは私にとってずっとインスピレーションの宝庫で、たくさんのことを学んでいます。この素晴らしい雑誌の数々の記事を読んだことで、自分の興味を実際のプロジェクトとして現実化できるようになりました。ジョエル・サラティンの「熊手の教え」にあるアドバイスは、私のような持続可能な農業のファンには学ぶことが多くあり、読むとやる気が出ます。毎号、彼のアドバイスを楽しみにしています。 

 マザーアースニューズの数々の情報は自然農の興味を実際に試してみるのに役に立っていて、興味がますます刺激されています。こうしたことは始めたばかりで経験があまりなく、ガーデニングや家畜の飼育についてマザーアースニューズを読んでもっと学びたい気持ちでいっぱいです。 

ダニエル・デ・クルーン 

カナダ、ブリティッシュコロンビア州 

 

自然界の完璧な組み合わせ 

 「コンパニオンプランツに最適な植物」(2018年4/5月号)は、コンパニオンプランツの良さを伝えてくれる記事でした。でも、ディルを好む最も重要な益虫種について著者は触れていませんでしたね。ディルはメスクロキアゲハが好む宿主植物なのです。ディルの上で孵化できた青虫は美しい蝶になり、栽培している花から花へ飛び回って受粉させます。 

 自分の庭でディルに何匹か青虫を見つけたら、ネットをかけて捕食昆虫や鳥から守ってあげることもあります。小さなディルの苗を青虫がほとんど食べつくしてしまったのを見かけたら、新しいディルの苗に移してあげます。 

 オオカバマダラの幼虫がトウワタを餌にして成長するのと同じように、メスクロキアゲハの幼虫もディルを餌にして成長します。卵を特定の植物に産みつけるのです。花を育てて蝶を呼び蜜を吸わせてあげるのも良いことですが、様々な蝶が生命サイクルにおけるこの大切な時期をどの植物に依存しているのか知ることも必要です。 

 マザーアースニューズの読者の多くは、チョウのいない世界に住みたいとは思わないのでは。チョウが好む花を知って栽培することや、農薬を使用しないこと、栽培しているディルの恵みをチョウにも分けてあげることがチョウの未来を支える助けになります。 

シンディ・ビカ 

eメール投稿 

 

 

経済事情について友好的に議論 

 私の記事「自営農の経済的自立」が2018年6/7月号の直撃レポートコーナーに掲載されました。記事の中で、私は経済的自立にむけた方法としてクレジットカードの債務整理や破産について触れました。 

 この記事を書いた時は、自分に落ち度なく辛い目に遭遇しているであろう一生懸命働いている人たちのことが念頭にありました。このアドバイスを盛り込むことが一部の読者の気に障るかもしれないとは思いも及びませんでした。でも、数通のメールを頂いて、繊細なテーマに触れたのだと気づいたのです。 

 ある方が下さったメールにはこう書かれていました。クレジットカードの債務整理や破産という方法をとることを読者に教えているが、問題の渦中にいる人以外の全員に対しては、他人の失敗の後始末をするよう私が求めているように見えると。 

 この読者への返信に、私は、直近の財政危機の間、ワシントンD.C.で司法事務の仕事をしていた時の経験を書きました。私が目にしたのは、人々が職を失い、家を売ることもできないでいる様子でした。彼らはマーケットが回復するまで貯金を崩して住宅ローンや医療保険の積立金を支払っていました。残念ながら、マーケットが何とか回復した時、このように一生懸命働いてきた人たちが気づいたことは、マーケットが回復したところで自分たちには貯金もなく、家もないということでした。中流階級の労働者の中には、食べ物も住まいもおぼつかなくなった人たちがいたのです。 

 この読者の方はこう指摘しました。不景気の時に問題を抱えるようになった人たちの多くは、必要のない大きな買い物にお金を使ったのだと。私ももちろん、住宅建築ブームの間にワシントンD.C.でこの光景を目にしていました。でも、私が記事を書いた時、自分の身の丈を越えた生活をしていた人たちのことは頭にありませんでした。考えていたのはごく普通の生活をしている人たちのことだったのです。事実、私は消費文化にかなり批判的です。大地に負担をかけない暮らしをすること、節度をもって資源の利用をすることは、私たちがお互いのためにしなければならない義務だと思っています。 

 たとえすべての考えを共有できなくても、私たち農的暮らしをする者は、みな同じようにこの世界に思いを寄せ、責任ある市民として数ある難題を乗り越えようとしていると信じています。世界中の様々な考え方や経験を伝え合えるフォーラムの場を提供してくれているマザーアースニューズにありがとうと伝えたいです。 

ターシャ・グリア 

カリフォルニア州ロウガップ 

 

辛い時期を活動的に乗り越える 

 マザーアースニューズの素晴らしい活動に感謝と賞賛の言葉を送った方は今までにもたくさんいらしたと思いますが、私もその一人です。いつもたくさんのことを学んでいます。外へ出てマザーおすすめのプロジェクトを試すのに、本当に大助かりなんですよ。 

 他の方たちの人生に何が起きているのか知る由もありませんが、人生で大変なことがない人など一人もいないことだけは知っています。私について言えば、マザーアースニューズを読んだことが最近の辛い時期を乗り越える助けになりました。太陽の下で働くこと、辛い時期が過ぎるまで忙しくしておくことを思い出させてくれたのです。この素晴らしい雑誌づくりにかけられる大変な努力が私を辛い日々から救ってくれました。ありがとうとお礼を言わずにはいられません。 

マニュエル・コラーゾ 

ペンシルベニア州ハウツデール 

 

豊かな思い出 

 2018年2/3月号「小規模酪農の牛選び (Choose Cows for a Small-Scale Dairy)」の記事を読んで、家族経営の小さな農場で育った日々のことを思い出しました。 

 私はニューヨーク州北部にある、他の地域から隔絶された谷で育ちました。たくさんの兄弟姉妹に囲まれていました。ガーデニングから食べ物の自然採取、鋳鉄のフライパンを古い薪ストーブの上にのせて料理することまで、何でも自分ですることを学びました。 

 農場にはジェシーという名の乳牛がいました。ジェシーは農場の商品というよりも我が家のペットという存在でした。私たちはジェシーの牛乳を自分たちだけではなく、地域でよく取引のあった他の家族にも分けてあげていました。近所の人の家と私たちの農場の間には、大分昔からあった小道が通っていました。この道には木々がそびえ、低木も生い茂っていました。でも、子供だった私たちは、通るたびに木々の間を身をくねらせながら通り抜ける方法を見つけて楽しんでいたものです。 

 ジェシーのミルクで私たち家族はバターを作ることもできました。オーブンから出したばかりの自家製パンに、あのバターを塗って食べた味。もう一度味わえるならと思います。私たちは地域で一番貧しい家でしたが、食べ物に困ったことや、何か足りないように思ったことは一度もありませんでした。 

 あの頃の暮らしが恋しいです。無邪気に生きていた日々に帰れるなら帰りたい。あの小さな農場で暮らした幼い日々の、すばらしい記憶を思い出させてくれてありがとう。 

キャサリン・A・ショー 

ニューヨーク州ベニス・センター 

 

小さな投資で大きなリターン 

 若い農家の方や小さな投資を長期的に続ける気がある農家の方たちに、ナッツの木を植えることをアドバイスします。 

 仮に今年2本のカルパティアのくるみの木を植えたとして、この2本の木はたった10年もすれば12mから18mまでの高さに育ち、毎年90kgのくるみの実をつけます。この2本の木を植えるのにかかる費用はたったの20ドル位だと思います。その後の堆肥や水やりの費用を考えても、長期的に木を所有するメリットが初期投資の埋め合わせをするばかりか、2本の木はさらに利益を生んでくれます。毎年90kgのくるみがあれば、自分で食べるのはもちろん、地域のファーマーズマーケットで販売したり、地域のフードバンクに寄付することもできます。くるみの恵みを地域の人たちと分かち合うなら、ナッツの木を植えることで自分や家族がくるみを食べられるだけでなく、地域のコミュニティ全体の役に立つのです。 

 木の実はプロテインや脳の機能を向上させる油の良質な供給源です。木の実の油は、商業目的で作る食べ物のほとんどにキャノーラ油が使われている国では是非とも摂取したい油です。経済的にも健康的にもこれほどリターンの大きい小さな投資を私は他に知りません。 

アリス・カイン 

ワシントン州ボセル 

 

大恐慌時代のデザート 

 メリッサ・ソウザさんの「アップルサイダービネガーを作る&使う (Making and Using Apple Cider Vinegar)」(2017年12月/2018年1月号、専門家に聞く)についての回答、興味深く読みました。早速、少しキズのあるりんご2.8リットルで自家製のアップルサイダーを仕込んでいます。回答を読んで、昔お店でよく買ったアップルサイダーが懐かしくなりました。60年代や70年代、パンチがきいて澄んだアップルサイダーが店先で売っていたものです。でも、今食料品店で売っているのは「アップルサイダー」のラベルがついていても、濁っていて水で薄めたような味がします。 

 アップルサイダー作りに使えるレシピがないかと古いレシピをあさっていたところ、これからご紹介する、大恐慌時代に遡るチョコレートケーキのレシピを見つけました。あの時代このレシピが重宝されたのは必要な材料が少ないからでした。このレシピは家族のお気に入りになりました。もとは私の祖母のご近所の方から教えていただいたものです。フラッグさんというご家族でした。 

 

フラッグさんのケーキ 

・中力粉      1と1/4カップ 

・グラニュー糖   1カップ 

・ココアパウダー  大さじ3 

・重曹       小さじ1 

・卵        1個 

・牛乳       1カップ 

・バター      1/4カップ 

・バニラエッセンス 小さじ1 

 

作り方: 

1. 大きなボウルに、全部の材料を混ぜ合わせる。 

2. ケーキ種がもったりするまで混ぜ合わせる。  

3. 9 × 9 インチ (23 x 23cm) の金属型にうすく油をぬって粉をまぶし、ケーキ種をすくって入れる。 

4. 180で35分焼く。 

 

グレン・アウアー 

ウィスコンシン州スティーブンスポイント 

 

定期伐採で薪をそだてる 

 ちょうど「持続可能な薪の萌芽更新」(2018年2/3月号)を読み終えたところです。この方法を使って2、3年になりますが、名前がついているとは知りませんでした。もとは庭の近くに生えているトネリコバノカエデの木が邪魔で切ったのですが、枯れずにたくさんの若枝が生えてきました。今では、枯れずにいてくれて本当に良かったと思っています。春になると、若枝をすべて伐採して切り株にしてしまいます。若枝はすべて鶏の [屋外飼育用] 金網フェンスの支柱に使います。外での [飼育] シーズンが終わると若枝の支柱は薪棚に積んで、あとは次の季節に同じことを繰り返すだけです。この方法は効果抜群で、費用もまったく!かかりません。 

コリーン・ストーウェル 

ミシガン州バンクロフト 

 

ガマに注意 

 最近の記事にあった「ガマを採取して食す」(2018年4/5月号)は面白くて有益な情報でした。でも、マザーアースニューズの読者のみなさんに大切なことをお知らせしておきたいと思います。ガマは工業農場や、農薬を散布した畑付近の水場から毒を浄化します。でも、このような農薬散布をした畑から地面をつたって流れてくる水は水場を汚染し、当然ガマは農薬を吸収してしまいます。ですから、ガマを採取する時は特に注意を払わなければなりません。このような有害な化学物質を蓄積したガマを口に入れるのはなり危険だからです。 

 マザーアースニューズを読んで何十年にもなります。1983年には、夫がマザーアースニューズに出した個人広告を見たことがきっかけで彼とめぐり会い、その年のうちに結婚しました。今では3人の成人した子供がいます。今年の3月には、初孫のエヴィが生まれました。 

 1995年から、地域の美しい2ヘクタールの土地に居を構えており、そこでたくさんの食物を栽培してできる限り保存加工をしています。私たちの土地は公認されたモナーク・ウェイステーション(Monarch Waystation:オオカバマダラの通り道)なので、オオカバマダラが成長して飛び立てるように環境を整えています。何と、私たちの土地は認証野生生物生息地でもあるんですよ! 

デブ・バーニング 

オハイオ州ジェネラ 

 

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