でんぷん質の付け合せを添えて、この風味豊かな鹿肉ローストを食べてもらいましょう。
パンプキンシードオイル、あるいはオリーブ油、クルミ油、ゴマ油といった良質な油で、ロースト肉に風味を付けます。Photo by Holly A. Heyser
文:ハンク・ショー (Hank Shaw)
翻訳:松並 敦子
鹿肉ローストは私の十八番料理で、ローストビーフに匹敵する美味しさだと自負しています。調理する鹿が年を取っていればいるほど、単一の肉塊を使うことが重要になってきます。このレシピの調理法では、筋肉群を分けている結合組織を溶かさないので、完成した鹿肉ローストに固い結合組織が筋として残ったままになります。
単一部位の肉でローストを作る時は、タコ糸で縛ると上手くいきます。タコ糸で肉をコンパクトに縛ってローストすれば、熱がより均一に加わりやすくなるのです。
油について一言:私は鹿肉にはローストしたスクウォッシュオイルの風味が絶対に合うと思います。スクウォッシュオイルは店頭で手に入るでしょうが、オンラインで購入するのが一番簡単だと思います。とは言え、オリーブ油、クルミ油、ゴマ油など、良質であれば、どんな油でも良いです。ロースト肉に良い風味を付けられる油を使うことがポイントです。
鹿肉ローストには葉物野菜や好みのでんぷん質の食品を添えると良いでしょう。マッシュポテト、ベークドポテト、ローストポテトなどが伝統的な付け合せですが、私はジャーマンダンプリング(German dumpling)を添えるのが好きです。
分量:ロースト肉の大きさによって、4~8人分。
材料:
• 鹿のロースト用かたまり肉:900~1800g
• 塩
• スクウォッシュオイルあるいは他の風味豊かな油:60ml
• 刻んだセージ、ローズマリー、タイム、あるいはこれらのミックス:大さじ2
• 挽きたての黒こしょう:大さじ2
• 赤ワイン、スープストック、または水:235ml
• セロリの茎:3~4本
1. 冷蔵庫から鹿肉のかたまり肉を取り出して、しっかり塩をまぶす。まな板の上で30分間ほど休ませておく。30分経ったら、オーブンを180℃で予熱しておく。
2.鹿肉から出た水分をキッチンペーパーなどで軽く叩くように取ってから、全体に油をすり込む。肉全体を覆うように、刻んだハーブと黒こしょうをまぶしていく。ワインまたはスープストックか水をロースト用の鉄板に、肉の底が少し湿る程度に注ぎ入れる。肉が蒸気で煮えてしまわないように、肉の底全体が完全に浸かるほど大量の水分は入れないで、その後出てくるスモークの量を制限しておく。鉄板の上にセロリの茎を並べ、鹿肉が注いだ水分にどっぷり浸からないようにセロリの上に置く。
3. 鉄板をオーブンに入れ、肉の中心部が好みの温度になるまでローストする。中心温度38度位でオーブンから出すと、鹿肉はレアになる。私は43℃程度で出すようにしている。いずれにしても、鹿肉が硬く灰色になってしまわないように、55℃より高い温度になるほど長時間ローストしないこと。適切なロースト時間として、180℃設定のオーブンで、肉450gあたり約20分が一応の目安となる。
4. 鉄板をオーブンから取り出し、オーブンの温度を230℃に設定する。この時点で、肉の表面にオイルをもう少し振りかけても良い。オーブンの温度が230℃に達したら、肉を戻し、こんがりきつね色になるまで約20分間ローストしていくが、温度には十分注意すること。レアに仕上げるなら、肉の中心部の温度を43℃に、ミディアムなら、52℃位にする。肉の温度が好みの温度に達したら、まな板に移して、しばらく休ませておく。肉の温度が予定より5℃以上低い場合は、肉をアルミホイルで包み、少なくとも10分間は切り分けないで、そのままにしておく。私はたっぷり15分ほど待つようにしている。さあ、切り分けて配膳しましょう。
他の鹿肉レシピや、鹿肉料理についてもっと知りたい方はこちらまで。「美味しく満足、鹿肉レシピ」。
ハンク・ショーは元調理人ですが、現在は食品、釣り、狩猟採集に関する情報を紹介するライターとして活躍しています。本記事は、彼の最新作「Buck, Buck, Moose」からの抜粋です。
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マザーアースニューズ
Make this flavorful venison roast and serve it with something starchy.
October/November 2017
By Hank Shaw
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