発酵種のサンドイッチパン(とピザ生地)

ヨーロッパのパンは、「ポーリッシュ」とか「ビガ」と呼ばれるオーバーナイト発酵種(冷蔵中種)で作られることが多い。ピーター・ラインハート(『The Bread Bakers Apprentice(パン職人の見習い)』)の著者)から学んだ超簡単な生地の作り方のおかげで、私は素早く、美味しくて風味豊かなサンドイッチパンが作れるようになった。こちらをご覧あれ。

オーバーナイト発酵種(パンが3回焼ける分量)

 

発酵種の材料:

• 強力粉6カップ(約850グラム)

• 細かい粒子の海塩小さじ1.5杯

• インスタントイースト小さじ1.5杯

• ぬるま湯2.5カップ

 

発酵種の作り方:

1. ドゥフック付きの電動ミキサーを使ってかき混ぜても、ミキサーの動きをまねて手でかき混ぜてもよい。いずれの場合も、幅広のボールより高さのある適切なサイズのボールを使うこと。(ミキサーのボールはちょうど良い)

2. ボールの一方から塩を入れ、反対側からイーストを入れて混ぜ合わせる。塩とイーストは直接触れないように入れる。塩は発酵を遅らせてしまう。

3. 混ぜ合わせた小麦粉に少しくぼみを作り、ぬるま湯を注ぎ込む。粉っぽくなくなるまで、ミキサーを「かき混ぜ」モードにして混ぜる。ミキサーを止めて、1、2分間休ませる。ミキサーの回転速度を#4にして、2分間混ぜる。1分間休ませて、再び速度#4で数分間混ぜる。この作業を繰り返す。生地がボールの側面につかなくなってくるが、表面はまだぼそぼそした状態だ。

4. 大きなまな板(私は41×51センチのまな板を使用)、あるいは天板を出しておく。大さじ1杯程度のオイルを手でまな板に塗りつけ、手はオイルがついたままにしておく。生地をまな板に出し、叩いて25×30センチ程度の楕円形に整える。

5. 生地の向こう側の端をつかんで引き伸ばし、こちら側の生地の上に折り返す。次にこちら側の端をつかんで、引き伸ばし、生地の上に折り返す。生地を裏返すと、伸ばして折った面が底にくる。引き伸ばす作業を繰り返し、生地を裏返す。

6. 数分間手をかけず休ませる。生地にはオイルが塗られているので、覆いをする必要はない。作業に戻ったら、引き伸ばす作業を両側から繰り返し、再び数分間休ませる。もう1度、この作業をする。生地を少し引っぱると、生地の一部がとても薄く引き伸ばされて、向こう側が透けて見える「窓」ができてくる。たいした作業をしたわけではないが、この状態になってくれれば、生地が順調に仕上がってきていると言える。

手の手入れは常に必要だ。私はたいてい引き延ばし作業の間にオイルで手をマッサージして、紙タオルで手のひらのオイルを拭き取るようにしている。

7. 生地が2倍に膨れても大丈夫な大きさをしたボールに生地を入れる。ボールにラップをかけ、冷蔵庫で一晩休ませ、風味を高める。生地は2倍近くに膨れるので、少し空気を抜く。(すぐにパンを焼かない場合、生地は2晩休ませておける。)

8. ここからは、以前に説明した(こちらや、こちらをご参照) サンドイッチレシピと同様に、作業を続ける。手順は下記の通り。材料は基本のパンとほぼ同じで、ただ発酵種を加えるだけ。

私は時々、粉をブレンドして使う。強力粉と白い全粒粉を半々、あるいは強力粉と他の全粒粉を混ぜたりする。

 

予め発酵させた発酵種を使い、白いサンドイッチパンと白い全粒粉のサンドイッチパンを作る

 

白いサンドイッチパンの材料:

砂糖と脂肪が少ししか含まれていないので、とても低カロリー。大きなローフかブールパン2つ分の材料。

• 強力粉6カップ(分けておく)、さらに予備用の強力粉

• 細かい粒子の海塩大さじ1杯

• インスタントイースト大さじ2杯

• 発酵種454グラム(前述のレシピで作った発酵種の約3分の1の量)

• 湯2カップ

• はちみつ大さじ約1杯(好みで)

• 遺伝子組み換えではないオイル大さじ約1杯

 

白い全粒粉サンドイッチパンの材料

脂肪分がとても少なくて低カロリー。大きなローフかブールパン2つ分の材料

• 1 tbsp or so non-GMO oil

• 白い全粒粉6カップ(分けておく)

• グルテン粉4分の1カップ

• 細かい粒子の海塩大さじ1杯

• インスタントイースト大さじ2杯

• 発酵種454グラム(前述のレシピで作った発酵種の約3分の1の量)

• 湯2カップ

• はちみつ大さじ約1杯(好みで)

• 遺伝子組み換えではないオイル大さじ約1杯

 

前述の2種類のサンドイッチパンの作り方:

1. ドーフックを付けたミキサーを用意する。

2. 小麦粉4カップとその他乾いた材料を全てボールの中に入れる。塩とイーストはそれぞれボールの反対側から入れる。材料を混ぜ合わせる。

3. スケッパーか手を使って、454グラムの発酵種を10個に切り分け、乾いた材料の入ったボールの中に1つずつ落とす。湯を加えて、ミキサーを「かき混ぜ」モードにして混ぜる。

4. 粉っぽくなくなるまでかき混ぜてから、ミキサーの速度を#4に上げる。速度#4で少なくとも5分間混ぜる。発酵種の塊は生地の中に上手く練り込まれていく。

5. 残りの小麦粉を少しずつ加える。ここでも、粉っぽくなくなるまではミキサーを「かき混ぜ」モードで使い、その後、速度#4にして、生地がしっかりとまとまって、ボールの側面につかなくなるまで、5~10分間ほど混ぜる。(ボールの側面に少しオイルを垂らすと、生地がつかなくなる)

6. 生地がうまくまとまったら、発酵用のバケツかボールに移す。大きさが約2倍までふわふわに膨らむまで発酵させる。30分から1時間ほどかかるが、室温によっては、それ以上要することもある。

7. 打ち粉をしたこね板の上に生地を出す。必要に応じて、少し小麦粉を加えながら、生地が滑らかで、光沢が出て、板につかなくなるまでこねる。生地をベンチナイフで出来るだけ均等に2つに切り分ける。それぞれの生地を叩きながら、20×25センチ程度の楕円形にして、少し伸ばしてからきっちりと、ぷっくりときれいなローフ形になるように巻く。好みで、小麦粉を少しコネ板から取って、ローフの上に振りかけてもよい。油を塗った、あるいはよく使い込んだパン型にローフを1つずつ入れる。

8. ローフが膨らんでいる間、1、2度チェックする。表面に大きな泡ができていたら、注意してつまんでつぶしておき、パンの表面にぶつぶつした焼け跡ができないようにする。

9. 油をつけたラップか埃よけのカバー(適当な訳語が見つからなかったので、そのままカタカナに置き換えました。ラップなどでまとめてもいいかもしれません)でローフを覆い、しっかり2倍に膨れるようにする。膨張が完了する少し前に、ラーム(Lame:生地に切れ目を入れる道具)、よく切れるナイフかカミソリの刃で切れ目を1、2本入れる。

10.オーブンを177度にする。美味しそうなきつね色になって、横から入れた温度計が88度になるまで、約50分間焼く。焼き上がったローフはすぐに金網台の上に取り出す。完全に冷めるまで切らない。

11. ローフを冷凍する場合は、しっかりと包む。私はローフを1個丸ごと、あるいは半分にしたものを1つずつ安いビニール袋に入れ、7.8リットルのジッパー付きフリーザーバックに2ローフまとめて入れて冷凍している。(ジッパー付きフリーザーバッグは再利用可能)

 

素朴なブールに成型する ー それからピザ生地!

 これらの生地はサンドイッチ用の美味しいロールにも、素敵な「田舎風」ブーレにも、夕食用の素朴なローフにも適している。それから、私の大好きなピザ生地にもだ!ピザ生地を何枚か作って、保存しておくと重宝する。野球ボールくらいの塊の生地からは直径25センチのピザが、ソフトボールくらいの大きさなら30センチのピザができる。

 生地を好みのピザのサイズになるまで叩いて、伸ばして、引っぱる。天板に敷いたクッキングシートの上にピザ生地を1枚ずつ置く。生地がぷくっと膨らむまで置いておく。ピザ生地の中央がぷっくり盛り上がったら、ナイフで一突きして、落ち着かせる。232度のオーブンで10分間半焼きする。粗熱が取れたら、ピザ生地の間にクッキングシートを挟んだ状態でジッパー付きのフリーザーバッグに入れて冷凍する。用意しておくと便利。

 ウェンディ―・アキン (Wendy Akin) は長年培ってきた伝統的な技術や知識を惜しげもなく教えてくれる。州の物産展で、ピクルス、薬味のレリッシュ、ジャム、特別な調味料、さらにパンなど数々の部門で何度も受賞経験がある。これまでのMOTHER EARTH NEWSでのウェンディーの記事はこちらを参照のこと。

 

Baking Sandwich Breads (and Pizza Crust) Using a Pre-Fermented Starter

5/5/2016 11:44:00 AM

By Wendy Akin