最近、夜になると、うちのわんこがずっと掻きむしっているので、わんこも私たちも寝られません。毛は乾燥していて、普段より抜け毛が多いみたい。どうしてあげればよいでしょうか?
文:Robert J. Silver, DVM/The Bark
翻訳:松並 敦子
犬が痒がる理由はたくさんありますが、理由がない場合もあります。しかし、犬が絶え間なく皮膚を舐めたり、擦ったり、噛んだり、傷口を掻き壊したりしているときは、病変の兆候かもしれません。
・犬の掻痒【そうよう:痒いところを掻くこと】
過度の痒みによる掻き毟りを医学用語では「掻痒」と言います。掻痒は、飼い主が犬を獣医に連れて行く理由の第2位(1位は下痢などの胃腸障害)です。掻痒の原因はかなり複雑ですが、犬が痒がる主な理由は2つです。1つは、皮膚自体の状態に関連する場合:感染していないか? 脂っぽくないか? 極端に乾いてないか? この3つのうち、ドライスキン症状は頻繁に発生しています。2つ目の理由はアレルギーです。
湿度の低い地域では、犬もドライスキン状態になっている可能性が高いですが、この見極めはとても簡単です。被毛をかき分けて、下毛にフケが見つかるようなら、皮膚自体がひび割れて硬くなっているかもしれません。皮膚に対するわずかな刺激 ― 優しく撫でること ー でさえ、激しい掻きむしりを引き起こす可能性があります。
ドライスキンは環境的な要因だけでなく、食べ物にも影響されます。市販のペットフードには、健全な皮膚と被毛の光沢のために良質な油を処理した製品がいくつかあります。ドライタイプのドッグフードには乾燥を促進する作用があり、また渇水状態が強まり ー たとえ水分摂取を増やしても、こうした食事由来の乾燥を部分的に補うにすぎません。ドライタイプのドッグフードを使用しなければならないなら、食事に消化酵素を加えることを検討しましょう。酵素は養分放出を改善してくれます。また、プロバイオティクス細菌は消化作用の助けにもなります。健全な消化器系は食べ物からの水分吸収率が良いので、体内への水分吸収作用が向上し、皮膚と被毛の水分レベルを高めてくれます。
・犬のアレルギー
犬にアレルギーがあると、皮膚が乾燥したり、逆に脂っぽくなっていることがあります。そのため、頻繁に掻く、舐める、噛むという行為が目に付いてきます。獣医によれば、犬のアレルギー症例は昔に比べて非常に増加しており、アレルギーが蔓延しているくと考えている獣医師は多い。こうしたアレルギー蔓延の理由ははっきりしていないものの、過剰な予防接種規定、劣悪な繁殖方法、加工ペットフードの摂取などが要因として挙げられています。
原因が何であれ、犬のアレルギーの軽減は難しいかもしれません。最悪の場合、アレルギー犬には、症状を軽減させるためだけの強い薬が必要になります。アレルギーはめったに完治しませんが、早めの見極めと治療介入によって、症状を抑制したり、アレルギー症状を実質的にほぼ撲滅させることはできます。
犬がアレルギーになる可能性を下げる重要な方法の1つが、子犬の頃にアシドフィルス培養菌、ビフィズズ菌などの高力価で有益なプロバイオティクス細菌を与えることであることが、臨床研究から分かってきました。プロバイオティクスは比較的安価で、しかも摂取しても全く安全なので、犬と飼い主にとって将来の大きな負担、― そして動物病院への通院 ー を減らせます。
犬の年齢に関係なく、多くの犬のアレルギーは、高力価のアシドフィルス培養菌、多量の魚油、挽きたてのアマニを与えるといった食事の質の改善で抑制でます。場合によっては、抗ヒスタミン剤を与えてもよいです。この治療で効果を出すには、最大3カ月を要します。
犬のドライスキンを改善する
犬のドライスキン改善に役立つ方法:
・風呂に入れる場合は、普通の水と良質の不乾性入浴剤を使用する。シャンプー使用の際は、保湿剤入りの保湿タイプのシャンプーを使った後、保湿用コンディショナーで保湿する。ドライヤーによるブロー乾燥は避ける。
・トリミングを受ける場合は、トリマーにドライヤーの温度を低くするよう依頼する。
・ウエットタイプのドッグフードを与える。
・食事ごとに消化酵素を加える(1日につきブロバイオティックス細菌を20~100億CFU【Colony Forming Unitコロニーフォーミングユニット、つまりコロニーを形成する能力のある単位数のことで、20CFU/gまたは20CFU/mlとは、1gまたは1ml中に菌が20個存在することを表す】)
・ろ過した新鮮な飲料水を与える。
・新鮮なオイルと他のサプリメントを食事に加える:亜麻油(体重約6.8kg(15ポンド)あたり小さじ1/2杯を1日2回)または挽きたての亜麻(体重約6.8kgあたり小さじ1と1/2杯を1日2回);魚油または藻類から抽出したEPA/DHA(体重約450gあたり5~20mgのEPAを1日1回);レシチングラニューズ(食事ごとに小さじ1/4~大さじ1杯);ニュートリショナルイースト(食事ごとに小さじ1/2~1杯)または低アレルギー性ビタミンB複合体(10~50mgを1日2回);ケルプ【海藻】パウダー(毎食小さじ1/4~1杯);スピルリナ(500~1,000mgを食事と共に1日2回);アルファルファ、イラクサ、またはホーステイル(単体あるいはミックスハーブの乾燥か粉末を小さじ1/4~1杯)
たのしい暮らしをつくる
マザーアースニューズ
How to Provide Dog Allergy Relief and Soothe Dry Skin
By Robert J. Silver, DVM/The Bark
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