DIY 一体型キッチンカップボード

引出式収納、作り付け小麦粉ふるいと、たくさんの収納のある、多目的で自立型のキッチン戸棚を覚えてる？「Hoosier（フージャー）」戸棚は、100年以上前のアメリカが発祥。棚、机、手鍋掛け、小麦粉保管樽と収納ごみ容器が一緒くたで利便性と効率性を、散らかった20世紀末のキッチンに持ち込んだ。（後述の「フージャー戸棚の歴史」をご参照。）

　フージャー戸棚は、今日のキッチンで傑出した存在に値すると、私たちは思っている。マザーは、オリジナルの精神と機能を残して、デザインを一新した（作業台の部分、収納戸棚の部分）。私たちのバージョンは穀類または小麦粉の便利なディスペンサーと、引き出し式作業台を特徴としていて、それが完璧なパン焼き用棚にさせている。完成した戸棚の上に見えるミキサーの代わりに、引き上げ式棚で自分の穀物ミルを置くこともできる。発酵や、野菜保管、作り付けのコンポスト（または完全に何か他のもの）の専用スペースを作るようにプランを修正することもできる。このプランは、あなたの特別な料理熱を満たす道具と材料を収納するのに必要なスペースと適応性を提供する。

　平均的な自作技術があれば、どんな田舎暮らしの人、もしくはコックでも、このフージャーを作ることができる。材料費（アクセサリーを含まない）は7万円：収納棚に3万円、合板に1.5万円、板とモールディング【家具などの輪郭部分の装飾】に1万円、そして金物類、ラミネートと留め具に1.3万円。類似した既製品の戸棚が少なくとも25万円する（しかもカスタムできない）から、お買い得だ。古い棚をリサイクルすると、さらにコストを下げることができる。

 

私たちの戸棚のユニークな特徴

構成しているもののほとんどは、ホームセンターで売っている。骨組みは、台所用収納戸棚でできている。側面、背面そして棚は、標準的な1/2インチのオーク合板から切り出す。装飾的なクラウンモールディング【壁と天井の交差する部分を覆う帯状の仕上げ】と、1×2オーク材の正面フレームも既製品だ。

　これらのフージャー戸棚プランは簡単に変更することができる。単にサイズ戸棚の異なるサイズや構成を選び、本稿で概説する基本順序に同様に従って、合うように切ったパーツを使って接合する。

　スライドトレイ、小麦粉ふるい、引き出し式スパイスラック、作り付けの台などを加えることによって、様々な方法で戸棚アクセサリーをつけることができる。完成したキッチン棚は、スタンドミキサー用の引き上げ式棚、省スペースの引き出し式の作業台、そして、全粒穀物と小麦のためのディスペンサー容器が特徴だ。

 

戸棚の作り方：収納の検討

このキッチン戸棚のプランは、どんなホームセンターでも入手できる収納戸棚を使う。あなたは今まで通り部品を正しく測り、切り、設置しなければならないが、（通常、このタイプのプロジェクトで最も難しい）ゼロから戸棚を作る必要はない。収納戸棚を買うとき、フージャーの下段用に「土台の戸棚」、そして上段用に「壁掛け戸棚」を探そう。プランがうまくいくためには、収納戸棚に納まったヨーロッパ式のヒンジ(Euro-style hinge)が必須だ。幸いほとんどのホームセンターでは、このように作られた戸棚が売られている。収納戸棚はメーカーによってサイズが違い、DIYキッチン戸棚を作るため、私たちのものよりも、狭くするか、より広くするか、異なるサイズを選びたいかもしれない。だから、目安として木取り表の寸法を使う。ぴったりした接合のために、その都度、合わせて切ること。

　丸鋸、ドリル、マイタ―ソー、ジグソー、ルータ【外形加工機】とストレートジグ（作り方は下にスクロールしよう）は、このプロジェクトには必須の道具。より速く、より正確な作業を助けるので、エア釘打ち機もまた、もらうか借りるかレンタルすることをお勧めする。

　完成後の戸棚の外寸は、幅45インチ×奥行25インチ×高さ80インチ(114x64x203cm)。あなたの戸棚を高くするか短くするかは、側面(F)と背面(E)板（本稿の後述の木取り表をご参照。アルファベット表記については分解組立図をご参照。）の高さを調節する。

キッチン収納を増やすアクセサリーを付ける

　自家製フージャー戸棚のアクセサリーに制限はない。幅21インチ(53cm)の中央の下段の戸棚と上段の戸棚の間の中央に場所をあけ、下に引き上げ式の棚（別名「ミキサー・リフト」）、上に乾物のディスペンサーを作った。幅12インチ(30cm)の両脇の戸棚は、さらに豊富なキッチン収納スペースで、トレイ、まな板などが入り、スパイスや小物用の引き出しを備える。引き出しと扉の組合せの代わりに、引き出しだけの収納戸棚でも良いだろう。

　ラック、ホッパー、ごみ容器、蓋付の缶、その他の特徴を独立式キッチン戸棚に加えることができる。私たちの引き上げ式ミキサー棚に加えて、スパイス収納を引き出しに、そして備え付け掲示板用のコルク板を上部戸棚の内側に設置。読者のみなさんは下段の戸棚の扉の替わりに、引き出しがお好みかもしれない。チルトアウト【手前に傾けてひらくタイプの収納】タイプのジャガイモ保管箱または、堆肥にする生ごみ用の容器がある引き出し構造を加えたいということもあるだろう。収納戸棚の適切なスタイルと適切な金具を見つけること。そしてそれを働かせる戸棚全体の寸法を調整すること。例えば、収納戸棚の扉から横のヒンジを取り外して、ヒンジを底に付け直すことで、ホッパータイプの戸棚を作ることができる。次に、チルトアウトのワイヤーのバスケット（多くがホームセンターで入手可能）を扉の内部につける。新しく作ったホッパーの開き具合の調節は、ふたを支える金物類を加えるだけ。

 

パン焼き用戸棚の基礎を作る

下段の戸棚 (A、A、B) を揃えよう。扉と引き出しを取り外し、戸棚が正面と上面で同じ高さになるように、一緒に固定して、内側にパイロット穴をあけて、2-1/2インチのネジで戸棚どうしをしっかり留めること。

　下段の戸棚の背面を正面と同じサイズとしなければならない。なぜなら正面フレームの外縁が側面を超えて突き出るから（私たちの場合は1/4インチ）、後部の戸棚の間にスペーサー(C)を挿入しなければならない。そうすると側面は平行に保たれる。（私たちは1/2インチのスペーサーを使ったが、フレームの端がどれくらい突き出るか次第で、スペーサーは広くも狭くもなる。）次に、前方の正面フレームの外縁のはみ出しによってできるスペースを埋めるために、戸棚の背面近くと底に沿って、長細い木片(D)を付ける。ここでもまた、フレームの厚みにより厚さを調節すること（私たちは1/4インチだった）。出来上がると、下段の戸棚の背面は正面と同じ寸法にならなければならない（私たちは、45インチだった）。

　次のいくつかの手順は、合板の精密加工を必要とする。それはジグで非常に簡単になる。（後述「ガイド定規」をご参照。）1/2インチの合板から背面パネル(E)を切る（切り出し図面をご参照）。切る前に、表面のバリを最小に抑えるよう、見栄えの良い面を下にする。パネル(E)を下段の戸棚の背面に木工用接着剤と1-1/4インチネジで固定する。

　1/2インチ合板の2枚目に、採寸して、L形側面板(F)の印をつける。四角い壁板はこの作業に役立つ。ストレートジグを使って切り、両側面に使うL形板では3回位置決めする必要がある。各々のL形の内側の角で、最後の1、2インチはジグソーで切ること。L形の低い部分の高さは、下段の戸棚の上より2インチ高くなければならない。この2インチの隙間は、引出し式の作業台となる構成部品（1/2インチの下段の上板(L)＋1/2インチのスライド(KK)＋3/4インチのラミネートのトレイ板（EE）のスペース＋1/4インチのゆとり）のための場所作りだ。

　側面板をネジで下段の戸棚に固定する。このとき下段の戸棚の前端と合板の前端を一列に並べるように注意すること。

　3枚目の1/2インチ合板から戸棚の上板(G)を切るために切り出しガイドをご参照。接着剤と1-1/2インチ釘を使って、側板と背板にこれを固定する。上段の戸棚(H)を仮留めする為に、戸棚ボックスの内側の上の角に廃材を使う。背面からネジを打ち込んで、さらに側面から釘を打ってそれらを固定する前に、再度戸棚の前端が合板の側面板の前端と揃っていることを確かめること。

　中央の棚(J)を切り出して取付ける。上段の戸棚の底にそれを固定。1/2インチの合板(K)を上段の戸棚の側面に固定しよう。

　下段の戸棚の上面に渡して、1/2インチ合板(L)をねじ留めする。板は隠れるので、残った2枚の合板から作ることができる。戸棚の側面と背面に1/4 x 1-1/2インチの長細い当て板（M、N）を固定する。そして、下段の棚(O)を取付ける。このスペースが、引き出し式作業台をしまうための空洞になる。

　おめでとう！現代のフージャー戸棚の骨組みが出来あがりだ。

 

フージャー戸棚の正面フレームをはめる

正面フレーム部品(P、Q、S、W、X、Z、AA、BB)は、むき出しの合板の縁を隠す。そして下段と上段の戸棚の扉両方がクラッシックな外観に飾り付けられる。扉用に正面フレームの側面にどれくらいのゆとりが必要か見定めるには、ドアをどれか1つ開けて1 × 2の廃材を脇にあててから、扉を閉めて、すき間を測る（ 約1/4インチになるはず。）統一性のために、上段、横、下段の、扉や引き出しのまわりは、この1/2インチの隙間を保つ。私たちは、正面フレーム部品(Q)と(S)以外は、標準的な1×2材を使うことができた。

　部品の面取りをするために、紙やすりか1/8インチの面取りカッター(roundover)のルータの刃を使う。両脇の部品(P)を下段の戸棚の前面に取付けることから始める。これらの部品は上部で留め継ぎして、引き出し式作業台を収めるために、内側に3/8 x 7/8インチの刻み目をつける。これら1×2材の外側面は、外側の合板からおよそ1/4インチはみ出す。

　下段の棚(O)の前面を支えるオーク材片(Q)を取付ける。私たちは、棚の前面の切刃先を最小化するために、 1-1/4インチまで木片を挽いた。この部品が側面部品(P)と同じ距離だけはみ出すことを確認する。接着剤と釘で固定する。

　次に、側面板の最も幅広の部分の上面を覆うオーク材片(R)を取付ける。前面の端は留め継ぎ、もう一方の端は下段棚の横枠材(Q)に対して、きつく接合する。

　下段の戸棚の上部に渡して、戸棚と横枠材(S)を取付ける。扉の上面との間に1/4インチの隙間を確保するために、これを1-1/4インチに挽く必要があるかもしれない。

　下段の戸棚の一番下を綺麗に整えるために、1/2インチ合板(T)の木片に切り、立った時につま先が入る凹んだ部分(toe-kick area)に用いる。それから、小さな廃材ブロック(U)でそれぞれの端を支えて、アーチ型の前飾り(V)を取付ける。私たちは、薄い帯状の木片をそり曲げて縁にあててなぞることで、アーチを作った。

　下段の戸棚の正面フレームを完成させる。中央と両脇の戸棚間の接合部を隠すために2つの垂直木片(W)を取付ける。私たちの場合は、両側に1/4インチの隙間を作るのに、1×2材が完璧な働きをした。必要に応じて幅をとって挽こう。

　上段の戸棚の縁取りをする。上段のまわりに1×2の帯状の板(X、Y)這わせることから始め、ここでも扉の上に1/4インチのゆとりを残すこと。2つの長い、垂直な外側の部品(Z)を加え、次に水平な中央の棚装飾（AA: 私たちは、ジグソーで棚中央部を細くした）が続く。垂直木片(BB)を上段の戸棚の内側の端に加える。

　最高の仕上がりのためにクラウンモールディング(CC、DD)をマイタ―ソーで上を下にして置いて切る。そして、一番上を取り巻くようにして使う。

 

引き出しスライドを付ける

正面フレームの下段縦枠材(P)のノッチ間の距離を測ってから、3/4インチ差し引いて、スライドする作業台(EE)の幅を決める。上面の全体の奥行を測って、3/4インチ差し引いて、スライド板(EE)の奥行を決める。寸法を合わせて板(EE)を切る。そして、1×2材の前面の縁(FF)と1/4×3/4インチの側面(GG)と背面(HH)の部品を付けるために接着剤と釘を使う。

　密着接着剤を使って、スライド板(EE)に大きめのラミネート(JJ)1枚を接着する。缶の説明書きに従うこと（メーカーは真面目にこう書いている「接着後、部品の位置を変更できません。」）。接着剤が固まったあと、はみ出たラミネートを除去するためには、トリムビットでルータを使う。続けて、縁を丸めるための、面取りビットを使う。スライド作業台のためにラミネートと合板の代わりに無垢材を使うことができるが、そのサイズの無垢材の板は、ゆがんで、ひびが入る傾向があるので承知しておくこと。

　引き出しグライド(KK)の位置を決める（私たちは、32インチ間隔にした）。そして、スライドの底を下段の戸棚の上面(L)に固定する。引き出しスライドアームを伸ばし、作業台(EE)をそこに置き、そして数本のネジで台を固定する。残りのネジで留める前に、すべりのなめらかさと正確さを試して、調節する。

 

DIYキッチン戸棚の仕上げ

仕上げをする前に、戸棚の扉と引き出しを慎重に120番の紙やすりで磨く時間をとった。なぜなら、通常、店から買ってそのままでは少しラフな表面なので。また、私たちは、他の部分も全て紙やすりで磨いた。目を凝らして、飛び散りや垂れた接着剤を残さず剥がそう。次に、無垢材と合板では着色剤の吸収率が異なるので、プレステインウッドコンディショナー【下地材】を使った。そして、コンディショナーは吸収をならすのも助ける。コンディショナーが軽く乾いたあと、180番の紙やすりで戸棚全体を磨き、釘穴にはパテを塗る。あなたが選んだステイン剤を使い、その後ポリウレタン塗装を数回続ける。高光沢仕上げが、一番簡単にきれいにできて、台所用食器棚には実用的。

　私たちは、伝統的なブリキの板金で戸棚を造りたかった。だから私たちは上段戸棚の扉の凹みに合うように亜鉛めっき板金を切り、扉板の四方に約1/4インチ大きく板金を縁取る。私たちは、板金を適所に固定するために、接着剤を使用した。そして、次に平板と、扉の横枠材と縦枠材の間で金属の縁飾りを細工した。ブリキのパンチングデザインを作るために、オンラインで見つけたパターンを拡大して、印刷して、板金にテープ留めした。それから、扉板の裏側を補助する合板を切り出して、標準的なハンマー、ネジ回し、16dと8dの釘を使ってパターンの穴を空けた。

　私たちは、ディスペンサー、頑丈なミキサーリフトと磁石のカトラリー用の細長い収納を取付けて完全な現代のフージャー戸棚に仕上げた。そして、どのレシピを最初に焼くかを選ぶために、料理の本をめくった。

 

ガイド定規の作り方

このフージャーキッチン戸棚用の全ての合板を切るために、ガイド定規と丸鋸を使った。4×8フィート合板との格闘は、テーブルソーでは面倒だし、いずれにしてもＬ形部品をテーブルソーで切ることはできない。ガイド定規で、のこぎりを合板の上で動かすことができる。その逆ではない。

　ガイド定規を作るには、16インチ幅の1/2インチ合板から、平らな端面で4インチの帯状の木片を作る。接着剤とネジを使い、4インチの木片を残りの12インチの部品の上に固定する。このとき、4インチの部品の平らな端面を大きなほうの部品の空きスペースに面するように。4インチの部品に沿って丸鋸を動かし、下の12インチの部品から切りたいように部品を切り出す。

　切る必要があるときはいつでも、単に幅の広い方の木片の縁を両端の印の上に合わせて、クランプするか、ジグをネジ止めし、そしてガイド定規に沿って丸鋸を操作する。

 

フージャー戸棚の歴史

インディアナのThe Hoosier Manufacturing Co. は、1900年ごろに最初のフージャースタイルのキッチン戸棚を作った。同社は、モットー「キッチンで手間を省いて、女性に他のことをする力と活力を。」で販売した。他の多くのメーカーも時流に乗って革新に革新を重ねた。今日、フージャースタイルの戸棚は、どんなキッチンの収納スペースも増やすことだろう。さらに、キッチンがただのレンジでチンの冷凍食品の場所ではなかった時代への素晴らしい温故知新になる。

　台所のスイスアーミーナイフ、フージャー食器棚はスライド式トップの小麦粉ふるい、パン入れ、まな板、食品グラインダー、スパイスラック、料理本ホルダー、そしてアイロン台までも、備える場合があった。フージャーキッチン食器棚は、オープンな棚、引き出し、すりガラスの扉、面白いあの手この手の構成で登場した。それらの多くは、散らかりを隠すためにロールダウンできるじゃばら扉【ロールシャッター式の扉】が備わっていた。フージャーの人気は1920年代には横ばいになった。そしてオールインワン作業台は、結局、むやみやたらにに広がった、切れ目のない戸棚とカウンターを備えたモダンなキッチに取って代わられた。

　この効率的な伝統的デザインのあなた自身のカスタマイズバージョンを作ることができる。私たちのプランをあなたのニーズにより適した変更を考えているならば、お好みのオンライン検索エンジンに「Hoosier cabinet designs」とタイプして、写真のスクロール始めよう。あなたは、何百もの賢いアイデアとスタイルが見つかるだろう。

 

スパイク・カールスン（Spike Carlsen）は、熟練の大工だ。すばらしい職人芸と木工への挑戦を堪能している。「Cabin Lessons」（彼の最新の本）は、彼の家族が、どのように丈夫な建物をスペリオル湖畔に建築したか詳述している。「The Backyard Homestead Book of Building Projects」は、独創的なDIYプロジェクトでいっぱいだ。

 

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Hoosier Cabinet Plans

By Spike Carlsen 

December 2015/January 2016