この際立つポートレートでリン・カーリン (Lynn Karlin)のビジョンを垣間見られる。
菜園家が自分の野菜を育てようとする理由は様々だ。汚染されてない食物、食物の安全性、家庭の慣習や文化的伝統、採れたての風味、ストレス解消、栄養の向上など、他にもいろいろな理由がある。私たちのトマトは甘く舌鼓を打つような風味があるが、重大な思惑と目的もある。
確かに、自分の動機が何なのかを明確にすることは、冬の暗闇から、春の雑草の目覚め、息苦しい夏の暑さ、そして最終的に収穫の恵みの季節に至るまでを通して重要だ。このページの優美な野菜の描写の中に、写真家のリン・カーリン (Lynn Karlin) は見過ごされることの多い動機、美への敬意を明らかにしている。
これらの作品は「台座シリーズ (The Pedestal Series)」の一部だ。この中で、カーリンは正に文字通り、収穫を増やしている。カーリンはほとんどの人が実用性を見るところで優美さに着目し、ラディッシュを承認し、キャベツを擁護する。
そのプロジェクトは無垢な(けれども至極評判の悪い)野菜、カリフラワーから始まった。「ほとんどの人は野菜を本当に見ていないか、野菜の中に美を見ていないわ」とカーリン。「地元のファーマーズマーケットで、まだ茎と葉に包まれたままの紫色のカリフラワーに見とれてしまったの。それを持ち帰って、東向きの窓のそばの白い台座の上に置いて、写真を撮ったのよ。」
カーリンのモデルは独特だ。珍しい品種だからというだけではない。カーリンは作物を加工することはほどんどない。「スタジオに戻ってきたらできるだけすぐに野菜の写真を撮るの。野菜を見つけた時には、収穫してから数時間経っているわ。」7年で100を超える野菜の描写写真を撮った後も、カーリンはなおそのプロジェクトに惹きつけられる。「それは地元の持続性のある農業に対する私の責任を表し、季節を祝う単純な方法なの。」
あなたがジャガイモをベースにした哲学者であろうとクワを操る実利主義者であろうと、こうした野菜の描写はシンプルに思い起こさせてくれる。感謝を込めて栽培し、菜園の小さな不思議と収穫に敬意を払うことを。
みんな誰でも消費者だけでなく創造者
暮らしを愉しく創るマザーアースニューズ
Beautiful Vegetable Portraits: Lynn Karlin’s Pedestal Series
By Laura Dell-Haro
December 2015/January 2016
コメントをお書きください