蜂の減少が農薬と関係するという新たな研究結果

2006年に蜂群崩壊症候群 (CCD) が初めて確認されて以来、何10億ものミツバチが犠牲となっている。ハーバード大学は、最近発表した研究論文の中で、浸透性ネオニコチノイド系農薬がミツバチのCCDの一因であることを結論付けた。

論文によると、健康なコロニーのミツバチのうち、2013年7月~9月の期間にネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリドまたはクロチアニジンにさらされた個体はすべて、冬の数カ月の間に死亡またはCCDの兆候を示したという。(研究論文の全文は http://goo.gl/Gtpt2N をご参照。)

 「ネオニコチノイドは、冬が来る前には健康だったミツバチの巣にCCDをもたらす原因となっている可能性が高いことを、私たちはこの研究で再び証明した。」と、主執筆者でハーバード公衆衛生大学院環境暴露生物学准教授のチェンション・ルー (Chensheng Lu)  は述べている。

 ネオニコチノイド系農薬の中でも最も広く使われているのがイミダクロプリドとクロチアニジンだが、市場には他にもたくさんの種類の農薬が出回っている。これらの浸透性農薬を使用すると、植物のあらゆる部分(ミツバチや授粉を行う他の生物が集めて食べる花粉や花蜜までも)昆虫にとって有毒となる。浸透性農薬の影響がすぐに出るか、徐々に出るかは、農薬の投与量と、他の化学薬品を混ぜたかどうかによって変わってくる。2014年春、カリフォルニア州一帯のアーモンド果樹園でミツバチが働いた後、80,000を超える巣箱のミツバチが死亡または損傷しているのが見つかったが、これらの果樹園では、農薬のラベルの指示に従ってネオニコチノイド系農薬を他の化学薬品と配合していた。

 欧州食品安全機関はネオニコチノイド系農薬の使用をすでに禁止している。また、米国魚類野生生物局は、6,000億平米の面積を有する野生生物保護区システム (National Wildlife Refuge System) でこれらの強力な化学薬品を使用することを、2016年1月までに禁止する予定であることを今年発表した。次は私たちが、これらの殺虫剤の使用を全国的に禁止するよう米国環境保護庁に要求する番だ。

 あなたの庭をミツバチにとってより安全な場所にすることで、この問題に取り組みたい場合は、市民団体の「農薬を越えて (Beyond Pesticides)」および「食品安全センター (Center for Food Safety), http://goo.gl/uTXNiw」が立ち上げたミツバチ保護活動 (BEE Protective) に関する資料を参考にすると良い。


バーバラ・プレサント (Barbara Pleasant)

Another Study Links Bee Population Decline to Neonicotinoid Pesticides

By Barbara Pleasant 
October/November 2014