2012年12月/2013年1月
By Barbara Pleasant
正しい手順とわずかな決断力があれば、屋内にいながら自分の手で野菜を種から育てることができる。
私が野菜の実生苗を育て始めたのは30年以上前のことだが、初の試みが悲しい結果に終わったことをいまだに覚えている。多くの実生苗は倒れて枯れてしまい、いくつかの種はまったく発芽しなかったのだ。
どうすればこうした問題が起こらないかを、わたしは経験から学んだ。そして毎年、菜園の多様性を深め、経費を節約し、屋内で種を発芽させて、好きな種類の野菜を友人と共有している。
優れた農作物の種類は数多くあるが、庭の真ん中の実生苗のようには、まず育たない。赤セロリやエシャロットの球根のような上等な料理用野菜でも同じことがいえる。
自宅の食卓や食品棚を、ずらりと並んだ自家製オーガニック食品で満たすことがガーデニングの目標なら、種から植え付けを始めることがその目標達成に役立つ。
雑草や悪天候に邪魔されないよう生育環境を整えながら屋内で種まきを始めれば、晩冬にタマネギを植えようが、夏にカボチャを植えようが、早秋にレタスを植えようが、植えたいその季節に手早く始めることができる。また、成長期が短い地域では、屋内で一足早く種まきを始め、遅めに成熟させる必要がある作物もある。
発芽のプロセス
すべての種子には発芽の準備と成長に特化した細胞が含まれているので、水分と気温、時には光がきっかけとなり、発芽のプロセスが始まる。水分と蓄積された栄養素によって胚芽は活性化されるが、その胚芽には植物の根や茎や葉を出すための潜在構造がある。
(キャベツやトマトのように)発芽が速い野菜の種子のほとんどは、胚芽が成熟し完成した状態で休眠状態に入る。ニンジン類は不利だが、その理由はほとんどのセリ科の種子(パセリ、フェンネル、ディル)は、発育段階の子房が成長する時間が必要で、その後発芽できる状態になるからだ。
発芽が遅いほかの野菜、たとえばほうれん草は、種皮の中に発芽を妨げる混合物が含まれている。これらの混合物は土の中で分解されなければならならず、その後に根と芽が外界に顔を出せるようになる。
酸素は発芽のプロセスに不可欠だ。実生苗から葉が出て太陽エネルギーを使えるようになるまで、種は土中の酸素と結合して、自身に蓄えられた栄養に頼りながら、新たな細胞を成長させる。
こういうわけで、種から発芽させるには、やわらかい培養土を常用する必要があり、水のやりすぎは成長するどころか根腐れを起こすのだ。
発芽までに種がやるべき大仕事を正しく理解しておけば、種から育てる際の経験値はきっと高まるだろう。低速度撮影のオンラインビデオで、成長の早い豆類種子が発芽する様子を見ることができるが、生でそれを見るとさらに驚きである。
一番印象に残っている種はカボチャだ。実生苗の葉が種皮を脱ぎ捨てるまでに、その小さな植物はすでに、小山のようにこんもりした根に守られている。
種まき用混合土
発芽したその日から、野菜の実生苗は水中、土中、空気中の菌類やバクテリアからの挑戦に立ち向かうことになる。厄介者が少なければ少ないほど、よりよく成長できる。だからこそ、冬ごとに新しい種まき用混合土を使うことはとても重要なのだ。良質の種まき用混合土は、実生苗を腐らせる土壌感染性の一般病原菌を防ぎ、水分も通気性も確保しやすいよう配合されている。
ピートモス【泥炭層を形成するコケ類の堆積物を乾燥させて作った園芸用土】か、コイア【ココナッツの殻を利用した育苗用培土】をベースに使い、さらに約65度に熱せられた堆肥を混ぜ、あらゆる病原菌と雑草の種を死滅させれば、自家製の種まき用混合土を作ることができる。種まき用混合土に加えるなら、少量のミミズ堆肥が有効だが、せいぜい土の体積の10%だ。
North Carolina State University が行った2005年の研究で明らかになったのは、きちんと混ぜてしまわず、土の表面にまくのが最も有効だということだ。すべての種子に、園芸用培養土の代わりにバーミキュライト(蛭石)をかぶせると、市販の有機性種まき用混合土と、さまざまな自家製混合土の違いはほとんどなくなった。
Best Tips for Starting Seeds Indoors
By Barbara Pleasant
December 2012/January 2013
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