行け!バーモント : GMOラベル、労働組合企業、持続可能な人口

バーモント州は北部諸州の中では最も小さい州の1つかもしれないが、米国が現在直面している最も大きな課題のいくつかに取り組み続けている。「緑の山の州」バーモントの先進的な構想の中から、代表的なものを挙げてみよう。

 労働者の権利:国内が外部委託と人員削減の傾向にある中、バーモント州上院議員バーニー・サンダース (Bernie Sanders) とパトリック・リーヒ (Patrick Leahy) は、「労働者が所有する協同組合」を全国的に創設することを後押しする2つの法案を提出した。法案の発起人らによると、「労働者が所有する協同組合」を創設するというビジネスモデルは、被雇用者に対し、賃金および自分たちの仕事を外部委託するかどうかを管理する権限を与え、経済的平等を助長し、強固な中流階級の基盤を形成することにつながるという。

1つ目の法案が可決すると、組合を所有する労働者を訓練およびサポートするための施設に州が資金提供できるよう、米国労働省が支援することになる。2つ目の法案が可決すると、労働者が持株制度または「労働者が所有する協同組合」を通じて事業を購入することを支援する米国被雇用者所有銀行 (U.S. Employee Ownership Bank) が設立される。詳しくは http://goo.gl/AU3Caq をご参照。

 資源の過剰消費:非営利団体「持続可能な人口を目指すバーモント人(Vermonters for a Sustainable Population、略してVSP)」は、2005年以降、バーモント州の住民に地域の資源の範囲内で生活することを推奨してきた。VSPは今年、生物学的多様性や経済的安定など各分野の専門家の分析を基にVSPが提案したバーモント州の最適な人口は500,000人である、という革新的な報告書を発表した。現在のバーモント州の人口626,000人をこの人口にまで減らすには、慎重な計画が必要だ。VSPは、避妊手段の無料提供、子供2人に対する所得税控除の制限、経済成長の評価基準に生活の質を含めることなどを提案している。

詳しくは、www.VSPop.org をご参照。

 食品に関するルール:私たちが食べているものについて知る権利をめぐる闘争が続く中、バーモント州は、今年初め、条件付きではないGMO(遺伝子組換え食品)表示法が通過した米国で最初の州となった。近隣の州は先例にならう傾向があるため、この動きは食品表示のあり方について米国全土に大きな影響をもたらす可能性がある。企業団体はこの法律を「コストがかかる間違った法令」と称し、6月にバーモント州を提訴した、とバーリントンフリープレスは伝えている。原告団を率いるのはグロサリー製造業者協会(Grocery Manufacturers Association)。この他に、スナックフード協会(Snack Food Association)、国際乳製品協会(International Dairy Foods Association)、全米製造業者協会(National Association of Manufacturers)なども原告団に名を連ねている。バーモント州司法長官のウィリアム・ソーレルは、「『この法律を一生懸命擁護する』心構えができている」と述べている。

 

スザンヌ・リンドグレン (Suzanne Lindgren)


Vermont Leads the Way on GMO Labeling, Worker-Owned Cooperatives and Sustainable Population

By Suzanne Lindgren 

October/November 2014