フルタイムの事務仕事に縛られるのはサヨナラして、自給自足生活を実現する。これは私たちの多くが夢見るようなことだが　〜　実際に飛び込むのは躊躇するような決断だろう。今年の自給自足大賞では、彼らが倹約生活のセンスとDIYスキルをどのように活かし、自宅でもっと好きな仕事をしているかを紹介。そんな仕事というのは、健康、創造性、暮らしの満足に直に結びつくもの。本稿に載せた表が示すように、3家族全てがとても節約している。農的暮らしの建物を建てたり、改修したりするのに廃材や再利用材を活用している。内2家族は、自分たちの家を建てた。

　あなたも「帰農しよう」へ向かいたいなら、農的暮らしのスキル不足だからと思いとどまらないこと。初めは、情熱、決意、丈夫な体、日で熟したトマトへの思い入れだけかもしれない。自給自足暮らしへ向かうこなら何でも、基礎台になり、その上に実用スキルの枠組みを築いて前に進めるようになるだろう。精読するハウツー本、実践的な DIY 愛好家の会話、どれもが、あなたの経験を広げるだろう。それから、新しいスキルを身につける度に、難しい作業を完了する度に、100%自家製の食べ物にありつく度に、正しい選択だったと確信できることだろう。それから、新しいスキルをご近所さんと学んだりシェアしたりするには、3年目になる今年9月からの「国際自給自足強化月間」に参加しよう。

　早速、2014年自給自足大賞受賞者として、実践的なノウハウを持つ家族を以下に紹介しよう。インタビュー全文や他にもDIY生活を実践する家族の話は、www.MotherEarthNews.com/Star-Modern-Homesteaders を参照。

 

人力農場

人：ケリー・マコーミック(Kelly McCormick)とグレン・マレスカ(Glenn Maresca)とケリーと両親のジョンとリンダ。

場所：フロリダ州デュレット。2007年より。

内容：5エーカーの農場に18 x 9 m の菜園、熱帯果樹園、鶏、牛、小型の豚、蜂と犬。

職：ケリーは、フリーランスのウェブ＆グラフィックデザイナー。グレンは、自作農、メンテナンス屋、自動車修理屋、現場のベテラン。

自給ハイライト：ほぼ全て、人や動物の力で実践。熱や害虫に耐性のある作物種を育てるために自家採種。食料の80%を生産。南アジアの狩猟鶏と Turken 鶏をかけあわせて彼らが「swampers」と呼ぶものを飼育。地元の動物組合から家畜を調達。

「ぢきゅう人（現代の自作農）」になることは、あなたにとってとのような意味になりますか？

　私たちにとって、自立することを意味します。新技術に惑わされることなく、新しいコンセプトや考え方で、歴史が認めている活動を向上させて自立するんです。例えば、最終的に電気は全て太陽光発電を使うのが希望です。

　もしやり直せるとしたら、何を変えてみたいですか？また同じようにしたいのは？

もっと若い時に始めるでしょうね。社会的な法例に適合するのに、とても長い時間を無駄にしました。その分の時間を持続可能な暮らしの開拓に使えたはずです。また、牛を早めに手に入れるでしょうね。始めた頃は、牛という考えには腰がひけてました。大きさが主な理由です。でも今では牛無しではいられないです。素晴らしい牛糞がとれるし、育てばきっと新鮮なミルクがとれるからです。全て同じようにするんでしょうね 〜 失敗もステキな学びのチャンスでしたから。

　あなたの菜園のユニークなところは？

　フロリダの菜園シーズンは短いんです。暑い夏の気候が害虫と病気をもたらし、続いて洪水、冬の凍結が少々。私たちは育苗を家の中やカバーをしたポーチで始めて、栽培時期がきたらすぐ育てられるようにしています。毎年種を保存することで、酷暑や害虫に耐えられる固定種の作物をいろいろ開発してきました。

　動物、菜園、私たちと循環ができていて 〜 動物が無料の肥料や害虫抑制で役立ってますよ。私たちは自分たちの栽培スタイルを「殺虫剤なし機械なし」と呼んでます。なぜなら、手で穴掘り、草取り、水やりをして、殺虫剤を一度も使ったことがないから。年間、菜園に22ドルほど使います 〜 新しい種をほどほどに得る分です。

　自家用再生可能エネルギーについて倹約生活のコツはありますか？

 　私たちの再生可能エネルギーの情報源はですね、、、私たちです！鶏小屋や牛の小屋を作る時は、電動工具用の延長コードを伸ばさずに、手鋸やハンドドリルで建てるんです。菜園の水やりが要る時は、ホースを伸ばしたり、給水管を設置したりせずに、池からバケツに何杯も運びます。菜園や耕起が要る時は、ガソリン駆動の耕耘機を使わずに、手で掘るんです。できるだけ、土地への負担を最小限にする努力をしています。

　洋服は、二槽の作業台付きのアンティーク洗濯機で洗います。それから洗濯の排水で植物に灌水しています。

　DIYスキルはどこで学んだのですか？

　マザーアースニューズです！ケリーがまず挑戦し成功したのは、パンを1ローフ焼くこと。オンライン http://goo.gl/RGZxhz で利用できるレシピからです。今では、天然酵母の元種が整い、日々パンを焼いています。またインターネットにも頼ってます。技術力がない人たちでも使える膨大な情報源。世界中の人々がつながり、共通の課題へ。解決策を話し合えますからね。また、ご近所や家族についても話しましょう。近隣で数世代にわたるコミュニティーがあるんです。彼らの助言はとても有り難いです。

  家畜についてもう少し教えてください。

　地元の組織に働きかけて、要らなくなった動物たちを私たちの家畜にし、ほんの少しの手助けが要るような野生動物はリハビリして自然へ帰します。家畜を受入れてきたので、近隣の動物団体の負担軽減に役立っています。毎年イースター後に新居が要る鶏や鴨がいかにたくさんいるか知ったら、みなさん驚くはず。

 

夢は大きく暮らしは小さく

人：サラとジェレミア・セイラー(Sarah and Jeremiah Sailer)と娘たちエンマ、ベラ、ラビィ、ギア。

場所：コロラド州ラブランド。2002年より。

内容： 800平米の土地に建つ102平米の家で、菜園、グリーンハウス、裏庭養鶏、食肉用ウサギ、天然食材のキッチン、ホームスクール。

職：サラは、出張ホームスクール教師、菜園とキッチンの開拓者で、www.ThriftyGoodLife.com のフリーランスのブロガー。ジェレミアは、個人事業主の大工。

自給ハイライト：自宅の30cm四方菜園を管理。食料のおよそ半分をまかなう。娘たちをホームスクールで教える。原則的に薪で暖をと る。家族の成長に合わせて家を改修。サラのいとこと一緒に段取りしてハイチの困窮している母親たちに園芸と畜産を教育している。

  何がきっかけで自給自足の道へ向かったのですか？

　私たち家族には健康問題があり、自然食による対策に取組もうと決めたんです。食事を変える必要性と限られた予算が組合わさり、足るを知る絶好の環境が生み出されたんです。もっとたくさんオーガニック食品を買い始める必要があると気づきました。それから、どれくらい自分たちで育てられるだろうかと考えました。ほどなく、ジョン・シーモアの「The Self-Sufficient Gardener」に答えを見出しました。

　なぜホームスクールをしてるんですか？

　4人の娘たちを家で教育しようと決めたのは、主に、自分たちが使える時間を農的暮らしにあてるため。そうしないと、娘たちの学校の車での送り迎えや課外活動に時間を費やすことになります。ホームスクールは、誰でも始められる自前の教育。みんなで一緒に料理、家畜、農業、土壌の仕組みについて学び、特定のスキルがある人々と共に時を過ごすのです。例えば、溶接、塗装、木工、馬術、陶芸などのスキルです。

　街中に住むのは、農的暮らしでできることに影響がありますか？

　牧場や開けたスペースがないので、大型の家畜を育てる選択肢はないですね。とは言え、自給自足への大きな一歩を踏めないことはないんですが。例えば、サラは、ココナッツオイル、重曹、クズウコンの粉末、精油を使い、デオドラントを手作りしてます。彼女はまた、シンプルな自家用クリーナーを、ホワイトビネガー、カスティーヨソープ、重曹、精油から作ってもいます。自分たち家族の食料、エネルギー、家のニーズを満たせる  よう独創的な方法を見つける努力をしてます。例えば、階段の吹き抜けの今まで使っていなかった空間に食料室と橋板を加える方法です（29ページの写真参照）。私たちの進捗をご近所さんに伝えると、こう思い始めるんです。「彼らがこれ全部やったのなら、私たちも何か試せそうだな」と。

　自分で育てられない食料があれば、どこで手に入れますか？

主要作物は地元のコープで買い、コープと提携する近くの農場から蜂蜜と肉を買っています。牛肉と生乳は地元の酪農場から。ラブランドには、ディスカウント食料雑貨のアウトレットと小さなオーガニック市場があり、よく利用します。 

　将来の目標は何ですか？

　私たちは、自分たちの小さなコミュニティーと古い家が大好きなんです。だから隣近所で農場を始めようと決心しました。今年隣近所3世帯へ広げることで、家族分の新鮮作物ほぼ全てと、更に他の人へ売る分もまかなえる可能性が出て来ました。積極的にレストランや他の事業者を探していて、残飯を譲ってもらい、大規模に堆肥作りを始めようとしています。また、再利用出来る資材を建物作りに取入れる方法を、引き続き探しています。長期的には、100%太陽光発電し、100%生活排水収集システムを利用し、地域でワークショップを主催して、倹約生活のコツとノウハウをシェアし、新しい手作りの薪窯で焼くパンの販売を始める。。。とリストはまだまだ続きます。

 

トウモロコシ畑から自然の別天地へ

人：レズリーとアンドリュー・ギボンズ(Leslie and Andrew Gibbons)。レズリーの父ポールとその妻イヴォンヌと土地を共有。

場所：アイオワ州エルクポート。1983年より。

内容： かつてトウモロコシ畑だった100エーカーの土地が、今では天然の牧草地と森林に。そこに、いくつもの手製の建物を建て、菜園とリンゴ園を作ってある。

職：レズリーは、アップサイクル【価値を高めて再利用】したものを作り販売。アンドリューは、DIY建築家で複数の単発メンテ工事を掛け持ち。電気、配管、小型機械の修理など。

自給ハイライト：完全にローンなしで暮らす。自分たちの土地で栽培した木を燃料とする薪ストーブだけで暖をとる。猟師の友人を手製のオフグリッド【水道ガス電気などの公共サービスから独立】のゲスト小屋に招く代わりに肉を得る。7 x 8 m の菜園から食料の 25% を作る。近隣のアーミッシュのコミュニティーから、自分たちで作れない食料を物々交換で得る。

　どうして、より自給自足な生活を求めるようになったのですか？

私たちは生まれも育ちもシカゴで都市生活に疲れました。私たち2人とも、子供たちを安全で、ごみごみしてない、美しい場所で育てたかったんです。だから「Back to Basics」と「Foxfire」という本を買いました。土地をいくつか見て回るようになり（トウモロコシ畑が見つかり）、ここに決めたんです。　「ぢきゅう人」になるというのは、あなたたちにとって、どんな意味ですか？

　私たちがぢきゅう人になった時、人々は、私たちの頭がおかしくなったと思いました。でもそれが、誤解だったと証明できたんです！ええ、まだ中には頭がおかしいと思ってる人もいますよ。でも私たちにとっては、自由を意味するんです 〜 借金からの自由、請求書の支払いのために四六時中働かなければならない気分からの自由、高い車を維持することからの自由、消費的な生活からの自由。

　どうやって原生の草や花を自分の土地に甦らせたのですか？

　 およそ8万平米の耕せる土地を持っていて、そこに、ライグラス、ムラサキツメクサ、チモシーグラスとエノコログサを計画的に植えてきました。移り住んだ当初は、この土地を掘り起こして、ならして、種をまきました。野生の花、丈夫な草も(干し草となる大きな草も含めて)、霜が降りる頃播種(Frost-Seed)してきました。草から種を採り、土地にまき、時には、野生の花(コロンバインなど)を近くの溝から掘出してきて、自分たちの土地へ移植しました。

　エネルギー効率の良い家の特性は何ですか？ 

　ゲスト小屋の小型の電灯は12Vのバッテリーで点灯します。でもゲストはたいてい灯油ランプかロウソクを使います。また、通路沿いにソーラー発電の電灯も備えてあります。家は太陽光を最大限に活用する設計で、自分たちの森から切る木で暖をとります。私たちにはエアコンがありませんし、欲しくもありません。

　家での「よくある1日」について話してください。

　季節によりますね。例えば、秋には、よくリンゴを収穫し、何リットルものアップルソースを作り、七面鳥の猟師の友人を招き、薪を切って山積みし、家と土地の冬支度をします。一年を通じて、レズリーは、彼女のアートスタジオで、店で売る商品を創り、私たちは薪を管理し、建物のメンテをしています。

　自分たちで作らない食物はどこで調達していますか？

　猟師の友人が肉をくれて、代わりにゲスト小屋に宿泊させてあげています。また、アーミッシュのご近所さんとよく食事、自家製パンなど、余った農産物をシェアしてます。また、地元のアーミッシュが運営する「bent and dent」ショップをよく利用して、その他の主要品を得ています。

　どのように、生計を立てるのに十分な収入を稼いでいますか？

　レズリーは、建築設計、インテリア装飾、塗装、編み物の経歴があり、また、熱心に情報を探し出す人です。このようなスキルを活かして収入を得ています。「Turkey River Mall」のそばに店舗スペースを借りて、アップサイクルした手作り品を販売しています。また、報酬を得る仕事も多数やっています。例えば、地域の劇場の塗装など。アンドリューは、正真正銘の便利屋で、設計、建設、修繕と、ほぼ何でもできます。パートタイムの仕事を2つ持ち、しかも副業がいくつもある。例えば、家具作りや古い建物の改装など。とても質素に（貧困ラインすれすれで）、中庸に暮らしてます。お金を貯め、もう一銭も借りませんよ！

 

 

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The DIY Life: Learn the Ways to Self-Sufficient Living 

By Jennifer Kongs 
August/September 2014

 

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