食物に含まれる農薬その他の化学物質はどの年齢の人にとっても脅威となるが、最近の研究によって子供と妊婦は特に農薬に晒される被害を受けやすいことが分かってきた。
2012年にカリフォルニア大学のデービス校とロサンジェルス校の研究者によって行われた被験者の子供が何を食べたかのみに基づいて行われた調査では、「ヒ素、ディルドリン、ジクロロジフェニルジクロロエチレン 、ダイオキシンを摂取した全ての子供(100%)において癌の基準値が上昇した。」この発見に基づいて研究チームが出した癌を避けるために重要なアドバイスは、子供は有機の乳製品、果物、野菜を主に食べることで農薬の摂取量を減らすことだ。
ほとんどの医療従事者は有機食品の摂取の推進こそなかなかしてこなかったが、農薬の蓄積による子供の脳や身体への影響については多くが言及していた。従来通りの加工された食品を食べることによって子供たちが日常的に多量に摂取する化学物質は内分泌かく乱物質、すなわち発育を妨げる可能性のある化学物質である。また断固として子供を農薬から遠ざけたとしても、子供たちは様々なかたちで農薬に晒され大量に摂取している。2013年の米国環境保護庁(EPA)の研究では、135名の未就学児の尿から、クロルピリホス(99%の子供で検出)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(92%)、ペルメトリン (64%)という3つの好ましくない化学物質が検出されている。またこの検査では含まれていないネオニコチノイド も、蔓延している農薬の中で子供の健康を脅かす物のひとつである。ではこれらの化学物質を詳しくみていこう。
クロルピリホスは有機リン系の殺虫剤で、穀物、木綿、果物、木の実、野菜、芝生、観葉植物などに使用される。2012年の米国科学アカデミー(U.S. National Academy of
Sciences)の研究では、妊婦のクロルピリホスへの曝露と、子供の低知能を招く脳障害との関連が発見された。また多数の研究によって子供の時の有機リン系の殺虫剤への曝露と注意欠陥障害との関連が示唆されている。
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸は世界で最もよく使われている除草剤のひとつで、遺伝子組み換えの新しい作物がそれに耐性をもつおかげで使用量は増える一方である。水分と食物内の残留物とがこの内分泌かく乱物質の元になり、最近の研究によれば、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸あるいは2,4-ジクロロフェノキシ酢酸とダイオキシンとの混合物は、明らかになっている発がん性物質の中でも最も強力であることが示唆されている。。。
和訳全文は6月末発行予定。
Pesticides and Children: Why Kids and Expectant Mothers Are Urged to Eat Organic
By Barbara Pleasant
June/July 2014
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