風邪やインフルエンザに一番効く自然のお薬は何ですか?
風邪やインフルエンザに対してハーブがたくさん昔から伝統的に利用されてきました。強い抗菌性と抗ウイルス特性が実験室で示されているハーブもありますが、研究にコストがかかることから、大規模で科学的なテストはほんのわずかなハーブでしか行われていません。
「製薬会社は新薬の製剤に莫大なお金をかける。なぜならば、特許にできるからです。」アリゾナ統合医学センター長であるランディー・ホーウィツ博士(Dr. Randy Horwitz)は言います。「しかし、ハーブでは特許は取れません。ですからハーブでの臨床研究は他の研究ほど行われないのです。代わりに常にリスク対効果の視点で評価します。疾患(と有用な療法)に関連する潜在的なリスクを比較し、そのリスクと潜在的なハーブ療法の効用を比較するのです。」
ホーウィツ博士は風邪やインフルエンザに効くハーブ薬として次の内ひとつ以上採ることを勧めています:Kan Jang(センシンレンとシベリア人参をブレンドしたもの)、ニンニク、レンゲソウ(Astragalus)、薬効成分のあるキノコ、もしくはニワトコの実(black elderberry)。
Kan Jang は、症状の初期に摂取するとかぜの症状と長期化を抑える効果があると示す臨床研究がいくつかあります。「ハーブには免疫機能を活性化する相乗効果があるのです」とホーウィツ博士は言います。
研究結果がいくつかあり、ニンニクは抗ウイルス、抗バクテリア、抗炎症、抗真菌性があるとされています。ある医学研究ではニンニクの摂取は風邪の予防に役立つことが発見されました。ホーウィツ博士は患者に対して、風邪にかかったと感じたらニンニク丸々1片を1日に2回食べなさいと助言しています。「新鮮なニンニクがやっぱり一番なんです。 ― 調理は有用な成分を破壊してしまう」と彼は言います。(ニンニク1片丸ごとそのままでは多すぎると感じたら、オリーブオイルと一緒に摂るか、料理の中に使っても大丈夫です。)
レンゲソウ(Astragaus: にが味のある中国の根もの)は、症状が出始めたと思ったら、みじん切りにしてスープに加えたり、1日に3回、250mgのカプセルとして摂る。研究では抗体値を上げ、T細胞を活性化させることが示されています。ホーウィツ博士によると薬効成分のあるキノコ ― 霊芝【マンネンタケ科の万年茸】、椎茸、舞茸など ― は免疫機能向上に極めて効果的であるといいます。ブレンドされたキノコ製品を探し、ラベルの指示通り摂取することを彼は勧めています。「私は自分自身、風邪のひき始めを感じたらレンゲソウと一緒にこれらのキノコ食品を摂取するようにしています。」
ニワトコの実(学名Sambucus nigra)は子供の風邪やインフルエンザによく効きます。「抽出物は安全で、効果的でかつ美味しいのです。」ホーウィツ博士は言います。ニワトコの実の製品「サンブコル」を使ったある研究では、風邪の症状や期間を2日から4日間ほどに抑えた結果が出ました。また他の研究では、ニワトコの実のキャンディを摂ったインフルエンザの患者は急速に回復する ― 48時間以内に症状が消えるか改善する ― 一方で対照群【比較用に偽薬投与した被試験者】では何も効果がない、もしくは微かな改善しか見られなかったという結果となりました。
暖める風邪やインフルエンザの治療薬には、チキンスープを試してみると良いです。2000年に発表されたある臨床研究において、ネブラスカ大学の研究者たちがチキンスープは上気道ウイルス感染症の症状を緩和することを発見しました。特にチキンスープは風邪の症状による喉の炎症を和らげてくれます。研究者たちはどの物質が症状の緩和をするのか特定できませんでしたが、スープの具材の組み合わせによって効果がでるものと理論立てました。チキンスープのレシピには、玉ねぎ、さつまいも、パースニップ(人参のような白い根菜)、人参、セロリ、パセリ、塩そして胡椒。たくさんの野菜、とくに玉ねぎには抗炎症成分が含まれています。
「風邪やインフルエンザを完璧に治す薬はありません。しかし、研究ではハーブは症状の持続時間と不快感を軽減できることを示しています」とホーウィツ博士は言います。「感染症の予防には、手をよく洗うこと、水分をたくさんとること、そして毎日8時間の睡眠をとることです。」
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