春、夏、秋、冬とたくさん収穫できるように、移動式のDIYグリーンハウスを自由に動かして使おう。
菜園の周りを動かせるDIY移動式温室で春、夏、秋、冬の収量を上げよう。 園芸家の多くは、栽培時期を延すためにコールド・フレーム(冷床)とクイック・フープ(アーチ型支柱)を使用しているが、家庭菜園をする人にとっては、小さくて低コストで移動できる温室が、より簡単でたくさん採れる選択肢となる。
10 x 12フィート(3m x 3.7m)を作るほうが4 x 4フィート(1.2m x 1.2m)のコールド・フレーム(冷床)を店で買うよりも安くできるだろう。この移動式温室を設計する上でのねらいは、既製部品で作る単純な形で、移動、固定が容易で、安価に作れるということ。
気候が温暖な地域の園芸家でも温室の恩恵を受けることができ、冬に買うものの選択肢が増え、より心地よい環境で植物を育てることができる。温室は植物を暖かく保護する場所となるが、また温室内に立ち入って作業する人も保護する。
冷床と同様に、単純な温室は太陽の熱を取り込み、乾燥を防ぎ、冷えなくする。涼しい気候でよく育つ丈夫な作物を育てているなら、冬に温室を加熱する必要はない。春が来ると、通常より早く収穫の早い作物を得ることができ、年の前半に暖かい天候で育つトマトを植付けできる。その後、早く熟するのをじっくり待つのだ。
移動式温室
ある場所から別の場所に温室を移動できると、温室に守られている全ての植物にとって、冬から夏、そしてまた冬へと巡る季節の移り変わりに対応し易くなる。トマトやピーマン、バジルといった夏の作物を秋の霜から保護し、長く生産し続けるために、温室を被せたままにしても良い。それから、近くに植えた寒さに強い作物を守るために温室を動かして来て、冬中その作物を楽しむことができる。移動式温室を使用すると、温室栽培のメリット ― すなわち防寒 ― を得られる一方で、欠点を排除できる。例えば、害虫や継続的に覆った土壌の中で発生する病気など。また、保護が必要な時にだけ植物をカバーすることにより、ひとつの温室で守ることができる作物の数が増える。
移動式温室を作るのに必要なのは、構築方法をわずかに変えること。(フォーシーズンファーム (Four Season Farm) は「モジュール型移動式温室の作り方」の中で段階的に構築手順を説明している。)通常、標準的なパイプの骨組みにビニールで覆われた温室は、地面に打ち込まれたパイプの基盤の上に立っている。移動式温室は所定の位置にある時はしっかりと地面に固定されているが、移動する時に外し、新しい場所に再固定することができる。
1年中1家族分の食料を供給するのに十分な大きさの温室なら、少なくとも10 x 12フィート(3m x 3.7m)は必要。この基本的なDIY温室はちょうどその大きさであり、作る人は一定サイズのモジュールを追加することで大きさを2倍や3倍にすることができる。
フレームは、接続部材に取り付けられた3つの半円の金属パイプで構成されている。 10フィート(3m)の長さのパイプを簡単に4分の1の円弧に曲げ、その2つで半円の形にする。クイック・フープと同様にして曲げるが、低いものではなく、高いトンネルのために設計された曲げる道具を使う。パイプには、10フィート(3 m)の長さで電気配管に使用
する1インチ径(25.4mm)のパイプ(電気金属チューブの略で "1インチEMT"と呼ばれる)を私は好んで使用する。
温室の基礎については、地面に打ち込まれた大径パイプに支柱の下端を挿入するかわりに、標準のフープハウス【hoop house: ビニールハウス】と同様に、支柱の底を垂直に地面に水平に横たわっている1インチEMTに取り付ける。このセットアップでは、10 x 12フィートの温室の骨組みを個々に地面の杭に固定するというより、単一のユニットとして接続されている。温室は持ち上げてどこへでも好きなところに運ぶことができる金属パイプとビニールで覆われた鳥籠のようなものである。
移動式温室が所定の位置にある時、そこに保持するための杭(動かす時には簡単に取り外しができる)に接続する。四隅の杭は2½フィート(76cm)の長さの4つのトップレールパイプから成り立っている。温室の隅の地面に取り付けて、ベースコネクタに固定されたUボルトに取り付ける。
風のなかでもぴったりとフィットして固定出来るプラスチック製クリップで所定の位置にビニールカバーを保つ。全て上手く機能し、価格が安くなる。移動式温室のパイプ、接続部品、ビニールで重さが約100ポンド(45kg)になる。そのため、「持ち上げて動かす」のは、ほどよく健康で身体を動かせる園芸家が2人いればできる。私たち2人も問題なくこの温室を何回も移動している。
成功する温室栽培の詳細
自分自身の温室を構築すると、冬の利点を気に入るだろう。肌寒い天候に適した作物を育てることで、冬の園芸を大成功させよう。「冬に最も適した作物と寒さに強い種類のアドバイス」を参照。「クイック・フープに挑戦 ― カンタンに作るミニ・グリーンハウス」で、同じ著者が考案した栽培時期を伸ばす他の方法もチェック。
Grow More Food in a Portable Greenhouse
By Barbara Damrosch and Eliot Coleman
December 2013/January 2014
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