サワードウ(天然酵母)のパンの作り方。スターター(元種)を用意して、育て、活かして行く。ガイドに従ってみよう。レシピもご一緒に。
サワードウ(天然酵母)は、昔からあるパン発酵法で、紀元前1500年まで遡って形跡がある。エジプト人がビールやパンを作るために酵母と乳酸菌の混合物を用いた。
小麦粉が水と混ざると、澱粉は酵素の働きで糖に変わる。乳酸菌は糖を乳酸と酢酸に変えて、生地をすっぱくさせる。生地がさらに酸性になって、酸性に耐性のある酵母は、糖を二酸化炭素とエタノールに変えはじめる。二酸化炭素はサワードウ特有の穴を作り、エタノールは蒸発する。ここでは、スターター(元種)の使い方とスターターを使う2つのレシピを紹介する。
サワードウのスケジュール
生き物なので、サワードウのスターターは世話が必要。だからこそ、細心の注意が必要だと思われているかもしれない。
実は、サワードウのスターターの世話は簡単:定期的に小麦粉と水のエサやりが必要なだけだ。
次のサワードウ・パン・レシピは2日以上にわたる手順だが、複雑ではない。サワードウ・パン・レシピを日々のスケジュールに合わせる方法は、時間がある時にパンを焼き、後で食べること。自家製のサワードウパンは、他のパンより長く鮮度を保てる(1週間まで)。焼いたサワードウは、冷凍にもまた向いている。
バーモント州のKing Arthur Flour Baking Education Center【米国の小麦会社のパン焼き教育センター】 のインストラクターのアンバー・エイスラー(Amber Eisler)曰く、擬人化がサワードウ の世話に役に立つ。「サワードウは、快適温度でいるのが好き。決まった時間に食べることが好き。食べ物、水、酸素、更に食事を消化する時間が必要。ペットのように考えれば、簡単になり、得体の知れないサワードウパンでなくなる。」 (RealFood@MotherEarthNews.comへあなたのサワードウ・スターター物語をメールください ― どのくらい長く使っているか、愛称、何故好きなのかなど― マザー)
サワードウ・スターターで始める
例えば、Sourdoughs International【米国のサワードウ元種の会社】のような会社から、生、あるいはドライのスターター(活性化する説明が付属)を注文しよう。通常、説明書では、パン作りできるようにするために、2、3日にわたり、何度かスターターにエサを与えるとある。
友達、あるいは気前のいいパン屋さんからサワードウ・スターターをもらうこともできる。多くの場合、パン屋はエサやり
のたびに独自のスターターの一部を捨てる。「エサを与えず」捨てられるスターターを、味わいがあるパンケーキや、ベーグル、その他焼き菓子に使う。あるいは、新たなスターターにするためにエサを与えよう。
スターターをかき混ぜられる広口の耐酸性容器にスターターを保管しよう。陶器の壺か、ガラス瓶がいい。緩く締め、密閉されてないか確かめる。(チーズクロス【目の粗いガーゼのような布】を輪ゴムで留めても良いだろう。)
伝えられるところによると、あるスターターは、精製小麦粉だけ、または全粒粉だけでよく働くという。実験でスターターの好みを見つけられる。30年以上のサワードウ・パン職人で、Whole Grain Connectionの創始者のMonica Spillerは、石臼で挽いただけの100% 全粒粉の使用を勧める。 BreadtopiaのEric Ruschをはじめとする他のパン職人が言うには、たとえ全粒粉の生地に入れて使うとしても、精製した白い小麦粉の方が良く、さらに予測しやすいスターターになる。
全粒粉のスターターは、より活発であるため、餌がたくさん要る傾向がある。外層の酵素と小麦の種の胚は、白い小麦粉には存在しない。これらの酵素はより活発で、より速い発酵の原因だ。もし放置してあるサワードウ・スターターがあれば、あきらめる前に、少しエサを与えて復活させてみよう。
スターターの維持管理
堅いスターターを、パン生地と同程度の堅さ、あるいはもっと湿った状態で維持できる。あなたがパンを焼く日に使うレシピに合わせて、調整できるスターターのメンテナンス法のサンプルはこちら。
サワードウ・パンを週3回以上作るつもりなら、スターターを室温で維持しよう。この場合、King Arthur Flourの専門家は、毎日スターターにエサを与えることを勧める。まず、4オンス【113g】を残してすべて取り除く。これに、水と小麦粉をそれぞれ4オンス(およそ小麦粉カップ1杯、水1/2カップ)を加えて、なめらかになるまで混ぜて、緩く蓋をする。焼く前日、スターターを一切取り除かずに、2度エサを与える。少なくとも6時間、エサとエサの間隔をあけよう。最後にエサを与えるのは、パン生地を混ぜる6~8時間前。
週1~2回だけサワードウパンを作るつもりなら:スターターを冷蔵庫に保管。例えば、土曜日にパンを焼く予定であれば、木曜日の朝に冷蔵庫からスターターを取り出す。4オンスだけ取り出して、小麦粉と水それぞれ4オンスのエサを与える。よく混ざるまで、かき混ぜ、緩く蓋をする。また金曜日の朝と金曜日の夜、そして土曜日の朝に、レシピに必要な量になるまで十分な小麦粉と水を加えて、スターターを増やす。さらにスターターを生かし続けるために、余分に少し(少なくとも1オンス)加える。レシピで必要な量のスターターを取り、余ったものに小麦粉と水それぞれ4オン混ぜる。
混ぜたものは、冷蔵庫へ戻す前に、室温で最適な発酵力にさせておく(熟成させる)。
もし1度も焼かない週があれば:スターターは冷蔵庫に保存し、1度エサを与える。冷蔵庫から取り出し、エサを与え、冷蔵庫に返す前に熟成させること。
もし、長期にわたりパンを焼かないなら:必ず時々スターターにエサを与え(少なくとも月に1回)、酵母とバクテリアの占有率を健康な状態にして、スターターを冷蔵庫に保存する。また、スターターを乾燥させることもできる。。。
A Step By Step Sourdough Recipe Guide
By Tabitha Alterman
December 2013/January 2014
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