フロリダ州プンタ・ゴルダ。スノーケリングしながら海藻をかき分けホタテ貝を数える。そんな空想に聞こえるボランティア活動を1日するなら、ピース・リバーとシャルロット・ハーバーが合流するフロリダ湾岸沿いにあるこの町を要チェック。
毎年「シャルロット・ハーバー・グレイト・ベイ・スキャロップ・サーチ」の一環として、40人以上の船長と150人を超えるスノーケラーたちがホタテ貝の生息数調査を手伝っている。このイベントのスポンサー、フロリダ大学シャルロット郡エクステンション・サービスのシー・グラント海洋科学のエージェント、ベティー・スタウグラー(Betty Staugler)曰く、「ホタテ貝は海の異変を検知し『炭鉱でガス検知に使われたカナリア』のようなものでもあるので、定期的な安否確認は不可欠ですね。」
「80年代にホタテ貝の個体数が激減した後、回復はしつつありますが現状はまだ厳しいです。イベントに参加する"市民科学者"の皆さんのおかげでこうやって研究を毎年続ける事ができます」とスタウグラーは言う。プンタ ゴルダの町自体も画期的な復興を成し遂げている。2004年8月ハリケーン・チャーリーが町を破壊したが、この被害が後にこの町のほとんどのインフラを活性化させた。アメリカ海洋大気庁沿岸サービスセンター(National Oceanic and Atmospheric Administration Coastal Services Center)はプンタ・ゴルダの堅牢な気象変動順応策の策定と実行を評価した。
プンタ・ゴルダとシャルロット・ハーバー地域の釣りとボート専門雑誌 "ウォーターライフ"の出版者、マイケル・ヘラー(Michael Heller)は言う。「大半の自治体は自身の町の再考と再建の機会が滅多にありません。ハリケーンの後プンタ・ゴルダの街は最先端の公共施設の建設や15マイル(約24キロ)にもおよぶハイキングとサイクリングコース、名付けて"町をぐるりと一周(Ring Around the City)に取り組んだのです。」
シャルロット港は米国で17番目に、フロリダ州では2番目に大きい河口で、開水面は270mi2(約700km2)ある。同州環境保護局によると、州の中でも最も清らかで生物生産性の高い沿岸生態系の一つが同港と隣接河口の70マイル(約112km)の未開拓海岸線に広がる。ここは国の五つの野生動植物保護区ならびに五つの水生生物保全区域でもある。 グレード・カルーサ・ブルーウェイ・パドリング・トレイル(Great Calusa Blueway Paddling Trail)は港と海岸線をくねって進み、バードウォッチングや野生動物観察にはもってこいの場所である。
ボート愛好家や釣り人にとっては楽園かもしれないが、同時に地域の野生生物や生態系を守りたい地元の強い意志も存在する。ピース・リバー野生生物センター(Peace River Wildlife Center)などの団体は、自然愛好家達がボランティアとしてフロリダの傷つき孤立された野生生物の更生活動ができる場を設けている。
フロリダ州プンタ・ゴルダ
人口: 16,697人
気候: 年間降水量 1,295mm,、1月平均最高気温:24℃、7月平均最高気温:33℃
世帯収入の中間値: 59,090ドル
住宅価格の中間値: 157,300ドル
Punta Gorda, Florida: Right Up Next to Nature
By K.C. Compton
October/November 2013
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