ミズーリ州アヴァ。ミズーリ州南部のオザーク山地の奥深くに位置するアヴァは、森林や河川、壮大な自然の美に囲まれている。この町には大都市のような文化施設はないが、住民のひとりが「大いなるご近所づきあい」と呼ぶところの友好的なコミュニティだ。
「私は台湾で生まれ、アメリカに9歳の時に移ってきました」とユン・シュア・クイーン(Yun Hsia Queen)は言う。彼女はアヴァ北部の農場に、夫のクリス(Chris)と5人の子供たちと一緒に暮らしている。「もしこの場所を一言で表すなら、『おおらか』でしょう」とクイーンは言う。「私はかなりあちこちに引っ越し、意地悪な人たちのいる場所にも住んできました。正直に言って、このように親切で寛大な人達は知りません。今まで会った中で一番です。」
マザーアースニューズの読者は、ひょっとしたら最も情熱的な園芸家のコミュニティと出会えて幸せだろう。あなたが偶然行き交う人のほぼ全員が園芸家だ。もし彼らが自分で庭いじりをしないのなら、きっとアヴァの土曜朝市で隣人たちの庭いじりの産物を活用しているはずだ。
「この市場はミズーリ州で最も古い市場のひとつです」と「アヴァ菜園家市場(Ava Growers’ Market)」の社長であるアーン・アルステッド(Arne Ahlstedt)は言う「この春、私たちは今までで一番大きな市場を開きました。50以上もの露店が出ましたよ」。アルステッドが言うには、市場の発展はコミュニティの人口の変化を映す鏡で、それは彼が1970年代に初めてここに越してきた時からであり、食べ物のブースには、アジア、ヒスパニック、素朴なアメリカの家庭料理が混在している。様々な宗教のグループが今日のアヴァでは活動している。「アーミッシュ、ギリシャ正教、安息日再臨派、メノナイト派、第一、第二、第三、そしてもしかして第三と半バプテスト【バプテスト派は第一、第二、第三と教会名の最初に付ける】までも」とアルステッドは笑いながら言う。そして、彼らの存在は、派閥主義になるのではなく、むしろ根底的な受け入れというものにつながっているのだと。
「ここには常に独立独歩の精神があります。あなたがお互いを見守り、自分自身の事だけにかかわっている限りは、あなたは歓迎される、という感じです。変わったのは、コミュニティの構成です」アルステッドは言う。「新入りの人々は知識の吸収に熱心で、物事の古いやり方について大いに疑問をもっているのです。」
これらの新しいものの見方は、地域の庭でも見られる。青梗菜(チンゲンサイ)や大根のような「斬新な」野菜が、近年は市場に入り込んできている、とアルステッドは言う。「最初は、保守的な人々は40cmあまりの大根を見て、こう言ったものです。『これは食べられそうにないね、すごく辛いんだろう』。でも今や彼らは寄ってきて聞くんです、『大根はいつ手に入るかい?』って。」
ミズーリ州アヴァ
人口: 2,993人
気候: 平均年間降水量1067㎜、1月平均最高気温7℃、7月平均最高気温31℃
世帯収入の中間値: 21,899ドル
住宅価格の中間値: 109,000ドル
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