地域の食材|食料システムを変える

米国全土で、普通の人が食料システムを作り直している。工業的な農業の産物に背を向けて、地域支援型農業のベンチャー企業へ列を成して参加したり、自分自身で農場を始めたりしている。

この国中で、普通の人が食料システムを再構築している。彼らは、工業的な農業に背を向けて、持続可能な地域の代替品に向かっている。

  食の安全と質に対する懸念に突き動かされて、また、非人道的な家畜の扱いに嫌気がして、人々は地域支援型農業(CSA)のべンチャー企業に加わろうと ― あるいは、自分の農場を始めようと列を成している。農家市場を立ち上げ、また、校庭や地域の菜園をいくつも立ち上げている。また地域を再活性し、ご近所さんと知り合いになり、自分たちの住む場所に再投資している。

  スティーブン・ミクファデン(Steven McFadden)は、「大地が呼ぶ:21世紀の農地入門(The Call of the Land: An Agrarian Primer for the 21st Century)」の著者で、現在、合衆国内で、6,000 から 6,500 の CSA プログラムが運用されていると見積もっている。そのような事業の最初の2つは 1986 年に創立したことを考えると、ある種の急成長だ。(お近くの CSA プログラムを探すにはwww.Local Harvest.org を参照。)

  何百もの農業初心者は、ネブラスカ州リンカーンにある「コミュニティーCROPS(Community CROPS: Combining Resources, Opportunities, and People for Sustainability)」や イリノイ、ミネソタ、その他の州にある「農業の始まり(Farm Beginnings)」を通じて自分たちの職について学ぶ。このような新規就農者は、作業する土地を見つけることについて、著しく独創的な場合が多い。ケイト・キャニー(Kate Canney)が一例で、マサチューセッツ州の彼女の町ニーダムの6つの裏庭に広がる2/3エーカー(2,700平米)に加え、別の農場の一部分である3エーカー(12,100平米)の土地で農業している。

  「食べられる校庭プロジェクト(Edible Schoolyard Project)」は、1996年の創立以来、2,195を越える菜園の立ち上げを支援して来た。屋上菜園はたくさんの都市で芽吹いている一方で、テキサス州オースティンにある非営利の農業ネットワークである「都会の彩り農園(Urban Patchwork)」などの組織が、近隣で質の高い食物を生産するよう支援している。

  米国農務省(USDA)は、20年あまりで農家市場の数が364%増加していることを把握している ― 1994年の1,755から2013年の8,144!

  冬の農家市場の数も、うなぎ上りだ ― USDAの報告で、2011年の1,225から2012年の1,864まで、52%の上昇。「冬の農家市場により、農家にとって、年中収入を生み出す更なる機会が得られるのです。」とはUSDAのキャスリーン・メリガン(Kathleen Merrigan)副長官の弁。「これらの投資はwin-winです。季節によらず、農業生産者はより安定し、消費者は地域食材の頼れる供給源を得るのです。」

  冬の市場へ行けない人は、「ドア・トゥ・ドア・オーガニック(Door to Door Organics)」などの宅配サービスに目を向けることができる。このサービスは、オーガニック作物や食料雑貨を会員のキッチンまで届けるもの。

  地域の食品 ― 更にそれが地域にもたらす利益 ― は、食品意識の高い人たちのある種の一時的なトレンドではない。経済的、環境的な懸念に突き動かされていて、また、良い食材、持続可能で人道的な食品がどこの食卓にも置かれるべきだという深い信念によるものだ。

  このような前向きな活動は、気分をもり立てるものになっていくと見ている。現状の工業的な食料システムは ― たかだか第二次世界大戦の終了以降のもので、結局 ― 変わらなければならない。多くの地域が、持続可能な食料ネットワークを作るという面で、印象的な進歩を遂げている。私たちはみんな、農家から、食べる人、池の中の小さなカエルまで、みんなを利する食料システムに賛成だ。

 

Local Food: Transforming Our Food System