家を移動するのは、ある意味、究極のリサイクル法。資源を節約できるだけでなく。お金も節約できる可能性がある。それから、家を買って移動するのは、絶好の土地だが完璧な家が付いて無い場合に、良い選択肢になる。
大きな家がトラックに載って走っていたら二度見するくらい驚くだろう。家というのはどっしりと動かないものだとみんな思っているが、適切な装備があればほとんどの家が引っ越しできるのだ。家の移設は誰にとっても最大限のリサイクルになる。もちろん資源とお金の節約でもあるのだ。
家を買って動かすのは理想の土地に理想の家が建っていない場合に使える方法だ。農的暮らしをしてる人なら特によくある話だろう。園芸、農業、畜産をしたいと思ってもなかなか良い土地はない。土地があっても家はついてこないことが多い。
新しい高速道路、郊外開発、病院や大学などの大きな施設を作るために、家は日常的に取り壊されているのだ。そのような家は敷地から移動させるという条件でよく格安か無償で売りに出される。問題は動かすのにお金がかかるということだ。自分の土地があっても新しい基礎、配管、電気配線その他の設備のコストを割り出さなければいけない。それでもなお家の移設は経済的なのだ。
費用の節約が主目的でなくても、既存の家を活かすことで環境に与えるダメージをはるかに減らせる。新築の家とは使う資源の量が比べものにならない。また、木材などの資材が新築より上質な家が見つけられるかもしれない。古い家の魅力に取りつかれて保存したいというノスタルジックな理由で家を移動するケースもある。
Glenn & Denise Bowman 夫妻の場合はそうだった。1840年頃に建てられた家を2006年に買ってミズーリの田舎、クラークスヴィルの土地に持って来た。地域に昔からあった家だが自動車販売会社の土地にあり、オーナーたちはビジネスを拡張したがっていた。移動しなければ取り壊されていた家だ。
家に恋してしまった Bowman 夫妻は取り壊されるのをむざむざ見てはいられなかった。地元の歴史的建造物保存協会に相談して家のオーナー達と連絡をとり、公式販売とするためについた値段1$だけで手に入れたのだ。5キロ弱動かすだけで約55,000ドルとよほど高くついた。これは家が3階建てだったためで移動コストとしては上限にあたる。Bowman 夫妻は自分の選択にとても満足している。家のリフォームを楽しんでブログ(http://goo.gl/7kzPe)に綴っている。「家にいるのが楽しいんです」と Glenn は語る。「この家で自分の子供を育てたいわ。」
家の移動: 近距離と遠距離
距離と建物、場所によって移動は異なってくる。
アイオワ州フォレストシティで夫の Chris Holland と Atlas Enterprises (www.AtlasEnterprises.us) を経営する Natalie Hammer は「移動が普通より楽な家もある」と話す。彼らの会社では通常8,000ドルから30,000ドルで移動ができるが、値段は地域によって異なる。「家のサイズ、トラックに載せる手間、そして距離によって値段が変わります」彼女は続ける。「マイル毎の換算ではありません。手間と重さなんです。重ければより装備がいるのです。」
カンサス州マウンドリッジの建造物移送会社 Unruh House Moving (www.UnruhHouseMoving.com) で働く Monroe Becker によると扱っている移動は10,000から14,000ドルに収まることが多いが、もしレンガを使った建物だと値段が跳ね上がる。彼の会社では特別な装備と費用がかかるレンガの家は扱っていないが、通常の3倍はかかると試算する。Hammer の説明によると、一階建ては大抵どんな送電線の下でも通れるので最も楽で安い。2階建て、3階建ては移動時に電力会社が来て電線を持ち上げる必要がある。他に信号を一時的に除去したり木をカットするなどの対策が必要になることもある。どれも必要な許可を取ればできることだが費用に上乗せされる。そういった理由で、Atlas Enterprises では2階建ての移動は16~24キロくらいまでが普通だが、一階建てならと160キロ以上でも行けると Hammer は説明する。Hammer の会社の家移転プロセスのビデオ (www.YouTube.com/AtlasEnterprises) を見るとよい。
やる気になってきた?
今まで述べてきた理由で良い土地の近くに良い家を探す気になったとする。予算内の家を近場で見つけるには歩き回る必要があるだろう。まず家の立ち退きが必要になるような開発計画を探すのが近道かもしれない。道路拡張に伴う立ち退きはよくあるので、Hammer は州の高速道路局に問い合わせすることを勧めている。また、募集広告を出すのも売り出し中の掘り出し物を見つけるのに良いそうだ。例えば Hammer の会社では、田舎の土地に家を建てる時、現存の家を移設してくれる人に売るという人たちと一緒に活動することが多い。
家を見つけたら、次は実績のある移送会社を探さなければいけない。地元のリストか、Interational Association of Structural Movers【建造物移送国際協会】のページ(http://goo.gl/NRrpy) から会社の住所録を見るとよい。
家の移送業界では決まった認可などは無いので、経験豊富で信頼できる実績、良い保険のある会社を探すのがよい。評判の良い会社ならこういった情報は隠さず出してくれるはずだ。経験の少ない会社に決めてしまうと家の構造がダメージをうけて費用がかさむといったことになりかねない。
実績のある会社なら家が傷つくことはほとんどない。Unruh は家具を中に入れたまま家を運ぶと Becker は言う。お皿は食器棚から出してもらうが、目標として「水の入ったグラスをテーブルに置いてこぼさないように運ぶ」を掲げている。「良い移送業者を使えば、ダメージを恐れることはない。作業は滑らかなもんだよ。」
読者からの移設レポート
DIY家移送 モンタナ州
モンタナ州では1940年代前半に公共事業推進局が木製の穀物庫を盛んに建てていたんだ。頑丈で床と壁は硬い木材を使っている。焼却予定だった穀物庫を3つ移設して構造を再利用してるよ。骨組を補強して建物を電柱2本の上に倒して、四輪駆動の1トンピックアップトラックで砂利道を引っ張ったんだ。コンクリートの土台に載せて、外壁と屋根に錫メッキをかけたよ。
Mark Geiger
モンタナ州グレンダイブ
田舎小屋
アラバマの田舎の土地に小さい家を建てるか何年も検討した末、使われていない古い猟師小屋を再利用することに。自分の土地まで30マイル(48km)以上引っ張って修復したよ。中は杉で仕上げて、糸杉材でテラスを増築した。木材は父が地元の廃材を持ってきてくれたんだ。やっと自分の家を持ててこんな嬉しいことはないよ!
Tammy Shaw & Leann Staton
アラバマ州キューバ
動く遺産
アーカンソー州の中央部で120エーカー(485,600㎡)の土地を受け継ぎました。その時、私の母は高速道路拡張計画のため住んで数年の家を立ち退かなければいけなくなったんです。身内はもらった土地に新しく家を建てて、今の家を私たちにくれると言っていました。当初わたしは資材だけ再利用する気でいましたが、母は移設を主張しました。もうびっくりして「動かせるわけないでしょ!厚板に載ってるのに!」と言ったのですが、母は私に調べさせました。お母さんはやっぱり正しかったんです(笑)。厚板は厚みが足りなくて動かせなかったのですが、方法がありました。業者さんは厚板から家を切り離して、新しい床に載せてくれました。これには追加費用がかかりましたが、それでも安いものです。移設と修理、更に、小道、井戸、小屋、田舎の敷地にひいた天然ガス配管、全部で47,000ドルでしたよ。
Joyce Hetrick
アーカンソー州スプリングフィールド
Joyce Hetrick のフルストーリーはhttp://goo.gl/sAZvk
を参照 ― マザー
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